茅ヶ崎市、てっぽう道の茅ヶ崎ファミリークリニック、院長の石井です!
シリーズ、喘息、本日は早くも4日目です。
4日目の本日は、コロナ以降の喘息治療が直面している現実について、リアルに解説していこうと思います。それでは今日も新型コロナウイルス感染症(COVID-19)と喘息の関係について詳しく説明します。
1. 喘息患者と新型コロナウイルス感染症のリスク
喘息患者がCOVID-19に感染した場合、重症化リスクが高まるかどうかについては多くの研究が行われています。喘息患者は呼吸器系の疾患を抱えているため、新型コロナウイルス感染症にかかった場合、症状が悪化する可能性があります。
しかし、現時点での研究では、喘息自体がCOVID-19の感染や重症化の主要なリスク要因とはされていません。軽度から中等度の喘息患者が特に重症化しやすいという証拠はなく、むしろ重症化リスクが高いのは、コントロールが不良な重症喘息患者や合併症を持つ患者(高血圧、糖尿病、肥満など)であることが示されています。
2. 喘息と新型コロナウイルスの症状の違い
喘息とCOVID-19には、咳や息苦しさといった共通する症状があります。しかし、それぞれには特徴的な症状もあります。
喘息の典型的な症状は、息切れ、ゼーゼー・ヒューヒューする喘鳴、胸の圧迫感、長引く咳などです。これらの症状は発作的に現れたり、季節の変化やアレルギー物質などのトリガーで悪化したりします。
一方、新型コロナウイルス感染症は、咳や息切れのほか、発熱、喉の痛み、嗅覚・味覚の喪失、筋肉痛、全身倦怠感など多彩な症状を伴うことが一般的です。また、発症初期には風邪やインフルエンザと似た症状が現れるため、喘息患者は自身の症状との違いに注意を払う必要があります。
3. COVID-19による喘息の悪化
喘息患者がCOVID-19に感染すると、ウイルス自体や感染による炎症が気道を刺激し、喘息症状の悪化(発作)を引き起こす可能性があります。ウイルス感染は、喘息発作を引き起こす一般的な要因の1つであり、新型コロナウイルスも例外ではありません。
また、COVID-19に感染していなくても、パンデミックによるストレスや不安、運動不足、外出自粛による生活習慣の変化が喘息症状を悪化させることがあります。
4. 喘息患者にとっての感染対策
喘息患者は、COVID-19の感染を防ぐために一般的な予防策(マスクの着用、手洗い、ソーシャルディスタンスの確保、ワクチン接種)を徹底することが重要です。
喘息の症状をコントロールし続けることも感染予防の一環です。症状が安定していると、感染した場合でも重症化リスクが低くなる可能性があります。そのため、日常的な予防薬(吸入ステロイドなど)の使用や医師の指示に従った治療を継続することが大切です。こちらについては、昨日までのブログで説明してると思います。
5. 喘息患者に対するCOVID-19ワクチン接種
喘息患者はCOVID-19の重症化リスクが高いわけではありませんが、基礎疾患を持つ患者の一部に分類されるため、ワクチン接種が推奨されています。ワクチンは喘息患者にとっても安全かつ効果的であり、副反応についても一般の人と大きな違いはないとされています。
ワクチン接種によってCOVID-19の感染や重症化を防ぐことが期待されるため、喘息患者も積極的にワクチンを受けることが推奨されています。
6. 治療の注意点
喘息治療薬の中には、ステロイド薬が使われることがありますが、COVID-19の感染が疑われる場合や感染した場合でも、自己判断でステロイド薬を中止することは避けてください。ステロイド薬を急にやめると喘息症状が悪化するリスクが高まります。
COVID-19感染時にも吸入ステロイド薬の継続が重要とされており、医師の指示のもとで治療を続けることが必要です。
7. 喘息とCOVID-19に関する誤解
「喘息患者はCOVID-19に感染しやすい」という誤解がありますが、現在のところ、喘息患者が感染しやすいという明確な証拠はありません。また、感染しても必ずしも重症化するわけではないことがわかっています。
喘息患者は、風邪やインフルエンザと同様にCOVID-19による呼吸器症状を悪化させるリスクがあるため、感染しないように予防策を徹底することが重要です。
8. COVID-19パンデミック下での喘息管理
定期的な受診が難しい場合もあるため、喘息患者は自己管理を徹底することが求められます。自己管理計画(アクションプラン)を作成し、症状が悪化した場合の対処法を把握しておくことが重要です。
また、感染リスクを減らすため、オンライン診療や電話相談を活用することも推奨されています。
まとめ
喘息患者にとって、新型コロナウイルス感染症は必ずしも重症化リスクが高いわけではありませんが、症状の悪化を避けるために日常的な喘息管理をしっかりと行うことが重要です。また、感染予防策やワクチン接種を通じてCOVID-19から身を守ることも大切です。適切な対策と治療を継続することで、喘息患者でも安全に過ごすことが可能です。当院では、発熱外来から日頃からの内科診療まで、喘息の患者様には気圧の変化などもふくめてスタッフ一同で全力で対応しております。
0歳から150歳まで、予約なしでもみんなが笑顔になる、茅ヶ崎ファミリークリニックです。お気軽にどうぞ。
令和6年9月30日
茅ヶ崎ファミリークリニック
院長 石井 尚
茅ヶ崎ファミリークリニック(内科・小児科・皮膚科)
〒253-0054 神奈川県茅ヶ崎市東海岸南5丁目1−21
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