茅ヶ崎市、てっぽう道の茅ヶ崎ファミリークリニック、院長の石井です!
みなさま、いかがお過ごしでしょうか。11月になり、めっきり肌寒くなってまいりました。当院ではマイコプラズマ気管支炎が大変多く、待合室でも患者様は咳が皆様とても辛そうでなんとかせねばならんと悪戦苦闘の毎日です。
また、熱があるから、咳が治らないから、普段の血圧や糖尿病の治療もいつもの病院に取りにいけないなどという非常識なことが、令和の時代の未だにあると知って愕然としています。
当院が開院するはるか昔、大病院の勤務医としてこれに大きな疑問を感じ、コロナ禍であるべき町医者像を考えながら悶々と過ごした日々が今でも思い出されます。
いまこそ
当院の予約なし診療の腕の見せ所です。
本当にお気軽にどうぞ。
それでは、言いたいことを先に言い切りましたので、今日はちょっと趣向を変えて、海外の国での喘息事情について触れたいと思います。
おしゃれの国フランス
🇫🇷
ファッションの国フランスでは、喘息もおしゃれの一部です。「吸入器を持ち歩くなら、素敵なケースが必須」という考え方で、デザイナーズの吸入器ケースが最近は流行しているようです。喘息患者の中には、吸入器ケースをデコレーションしたり、ファッションアイテムとしておしゃれなポーチに入れて持ち歩く人もいるようです。フランスの高級ブランドからも、吸入器用のケースやポーチが販売されていて、どれもアクセサリー感覚で選べるのが特徴です。
フランスの吸入器ケース
また、SDGsの考えの進んだヨーロッパの国の典型でもあるフランスでは、喘息への対応において自然療法を取り入れる人も多く見られます。フランス人は自然志向が強いことから、アロマテラピーやハーブ療法といった代替医療を喘息管理に加えている人が少なくありません。例えば、ユーカリやペパーミントなどのエッセンシャルオイルを使い、リラックス効果と共に呼吸を楽にする方法を取り入れるケースがあります。
一方の学術面において、フランスでは喘息とアレルギーの関係に対する研究が進んでおり、アレルゲンに対する管理や予防方法も充実しています。近年では、フランスの医師達は、アレルギーによる喘息の発作を予防するために、花粉症やアレルギー症状の治療に力を入れています。このため、毎年の花粉シーズンが近づくと、医療機関や薬局には、花粉症対策に役立つアイテムが並び、予防と対策が徹底されているようです。
アレルギー性鼻炎の患者で喘息のリスクがおよそ4倍になるという
フランスのグループによりLancet誌に掲載された2008年当時の論文
さらに、なんと3つ以上のアレルゲンに暴露されているとリスクは6倍になると。
- 喘息の疫学統計を伝える高齢者ケアネットの啓蒙広告
フランスでは、公的な健康保険制度が非常に充実しており、日本と同様に喘息治療にかかる費用もカバーされています。吸入器や気管支拡張剤、抗アレルギー薬の多くが保険適用となっており、喘息患者が負担を軽減しながら定期的な治療を受けることが可能です。この充実したサポート体制により、フランス国内の喘息患者は適切な医療を受けやすい環境が整えられています。これは我が国と同じような状況と考えていいでしょう。
- 喘息患者のマスク着用免除を知らせるためのフランスの公的カード
フランスは喘息予防のための「空気の質」への関心も非常に高いです。特に都市部では、スモッグや大気汚染が喘息に影響を与えることが多く、パリやリヨン、マルセイユなどでは「本日の大気クオリティ」として定期的に空気の質が公表され、喘息や呼吸器疾患の患者は事前に予防を心がけることが奨励されています。大気汚染が深刻な日には、公共交通機関が無料になることもあります。日本では考えられませんね。
フランスでは、喘息を単に「病気」として捉えるのではなく、生活の一部として調和させるようなユニークなアプローチがなされています。ファッションや自然療法、さらに公的なサポートが充実していることで、喘息患者がストレスを減らしながら生活を楽しむための工夫が整えられているのが特徴です。
これらの考え方は、ぜひここ茅ヶ崎でも取り入れたいと思っております。
- 日本の吸入器ケース
そして日本にも、吸入器(SABA)をおしゃれに持ち運ぶケースもあるみたいです。嬉しい時代になってきました。それでは今日はこの辺で。
0歳から150歳まで、予約なしでも
みんなが笑顔になる、茅ヶ崎ファミリークリニックです。お気軽にどうぞ。
令和6年11月1日
茅ヶ崎ファミリークリニック
院長 石井 尚
茅ヶ崎ファミリークリニック(内科・小児科・皮膚科)
〒253-0054 神奈川県茅ヶ崎市東海岸南5丁目1−21
https://chiga-fami.clinic/