茅ヶ崎ファミリークリニック日記

茅ヶ崎てっぽう道の町医者の思うこと。

シリーズ・喘息⑮ 冬の喘息対策:寒暖差について 茅ヶ崎市 呼吸器内科

こんにちは!

茅ヶ崎市、てっぽう道の茅ヶ崎ファミリークリニック、院長の石井です!

 

昨日は日中は汗ばむくらいの陽気で半袖で過ごせた一方、日没後は本当に寒く、ようやく本格的な冬将軍がこの茅ヶ崎にも訪れてくる季節であることを認識させられました。

 

また、それがおそらく関係して、昨夜から今日まで喘息の発作や吐くほどむせこむ咳で、お子さんが寝られなかったことを心配されて当院を受診される患者様が本日だけでも午前と午後合わせて10組以上おられました。

 

 

皆さん一様に、「寒暖差と喘息の関係」について質問されており、院長の私としてはなるべく丁寧にお答えしたつもりなのですが、あとから考えるとちゃんとした説明になっていたのか心配になってきました。確か、前々回の当ブログでも寒暖差については解説したはずなのですが、短くまとめてわかってもらうことって案外難しいですよね。

 

そこで本日は、喘息のお子さんのお父さん、お母さんに気をつけていただく点について、また、寒暖差が喘息に及ぼす影響やその原因、症状、そして効果的な対策について、こんどは具体例を交えながら詳しくリアルに解説していきます。

 

 

寒暖差と喘息


寒暖差が喘息症状に及ぼす影響は、医学的にも広く認められています。気温の変化が大きい日、特に昼夜の温度差が激しい時期には、冷え込みや急な気温上昇が気道にストレスを与え、喘息発作が起こりやすくなります。例えば、冷たい空気を吸い込むと気道が急速に収縮し、炎症が悪化してしまうため、喘息の症状が現れやすくなります。このような寒暖差による喘息の悪化は、当院でもおおく確認されており、冷たい空気が気道の敏感な部分に刺激を与え、炎症反応を引き起こしやすくするため、喘息持ちのお子さんには特に注意が必要です。

 

 

室内温度と湿度の管理


寒暖差による発作を防ぐために、室内の温度と湿度を管理することが効果的です。特にエアコンの使用は、室内の温度を一定に保つための有効な手段ですが、外気温との温度差が大きくならないように設定することが大切です。湿度についても適度に保つことで、空気が乾燥しすぎるのを防ぎ、気道を守ることができます。一般的には、50~60%程度の湿度が理想とされています。そのために加湿器を使用するのももちろん良い方法です。また、エアコンのフィルターを定期的に掃除することで、ホコリやカビが原因となるアレルゲンを除去し、喘息の悪化リスクを下げることができます。

 

夜間の寒暖差対策


夜間は日中に比べて冷え込むことが多く、気温の低下が突然起こるため、寝室の環境を整えることが重要です。寝具には暖かい布団や毛布を使用し、乾燥を防ぐために加湿器も併用すると良いでしょう。また、冷え込みが予想される日は、サーキュレーターや暖房を使用して部屋の温度を一定に保つことで、急激な冷えから体を守る工夫ができます。当院にかかっておられるある患者様のお家では、就寝前に寝室を少し暖めておき、お子さんが寝ている間に温度が急激に下がらないようサーキュレーターで空気を循環させることで、夜間の咳が少なくなったようです。また、加湿器を使用して部屋を乾燥させない工夫も大事になります。

 

日常生活で気をつけること


喘息を持つお子さんの体力を維持し、免疫力を高めるためには、規則正しい生活リズムが欠かせません。あたり前のことを続けること、つまり、バランスの取れた食事、十分な睡眠、適度な運動を取り入れることで、気温差による体のストレスに対する耐性が向上します。また、ストレス緩和のため、リラックスできる時間を確保することも非常に大切です。リラックスというのは、アドレナリンをなるべく出さないようにすることであり、Switchやスマホなどで夜中までゲームするのが一番喘息には悪いでしょう。

 

お父さんお母さんに気をつけてほしいこと


医師から処方されている薬は、適切に使用することが重要です。特に寒暖差が大きくなる季節には、ステロイド吸入薬を中心としたコントローラーの使用を忘れずにして、喘息症状の悪化を防ぎましょう。また、外出時にはマスクを着用し、冷たい空気を直接吸い込むのを避けることで気道への刺激を減らすことができます。

 

 

まとめ


寒暖差による喘息発作は、適切な対策を取ることである程度予防が可能です。秋が近づき気温が下がると、空気が乾燥し始めるため、風邪と勘違いしやすい症状が現れることもあります。「風邪だと思っていたら実は喘息の悪化だった」というケースも珍しくありません。当院では、長引く咳、夜寝られない咳、また喘息に関するご相談や治療を力を込めて毎日行っています。気になる症状があれば、予約なしでも対応いたします。当院まで、どうぞお気軽にご相談ください。

 

 

0歳から150歳まで、予約なしでもみんなが笑顔になる、茅ヶ崎ファミリークリニックです。お気軽にどうぞ。

 

令和6年11月7日

茅ヶ崎ファミリークリニック

 院長 石井 尚

 

茅ヶ崎ファミリークリニック(内科・小児科・皮膚科)
〒253-0054 神奈川県茅ヶ崎市東海岸南5丁目1−21
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