茅ヶ崎市、てっぽう道の茅ヶ崎ファミリークリニック、院長の石井です!
本日も、長引く咳、咳喘息と喘息についてリアル解説していきます。
特に週末などで、喘息の発作を起こしたお子様などで、ご両親は急いで大型のクスリ販売店などで慌てて効きそうな薬を買おうとすることでしょう。その際、喘息に随伴する症状や風邪症状などでお薬を買うと思いますので、注意が必要なものがいくつかあります。
そこで今日は、喘息の発作時に使ってはいけない市販薬について、詳しく説明したいと思います。
喘息の発作は気道の炎症や気管支の収縮により引き起こされるため、発作時には症状を悪化させる可能性のある以下のような市販薬の使用は避ける必要があります。
1. NSAIDs(非ステロイド性抗炎症薬)
具体例:バファリン、イブ、ロキソニンなど。
理由:NSAIDsは、アスピリン喘息と呼ばれるタイプの喘息患者で発作を引き起こすことが知られています。これらの薬は、体内のプロスタグランジンという物質の生成を抑えることで炎症を抑えますが、同時に喘息の引き金になるロイコトリエンの生成を促すことがあり、喘息症状を悪化させる可能性があります。
注意点:喘息持ちの場合は、特にアスピリンやイブプロフェンを避けることが推奨され、解熱鎮痛剤が必要な場合は医師に相談して安全な代替薬(アセトアミノフェンなど)を使用するのが良いとされています。
2. 鎮咳薬(せき止めの薬)
具体例:リンコデ、メジコンを含む市販の鎮咳薬。
理由:これらの成分は、咳を抑制することで気道内の痰や分泌物の排出がしづらくなり、気道閉塞を悪化させる可能性があります。喘息患者にとっては、気道に痰が溜まることで息苦しさが増し、症状が重くなる危険性があります。
注意点:喘息発作時には、むしろ痰を排出することが重要ですので、せき止め薬ではなく、去痰薬(痰を薄める薬)の方が適している場合があります。医師や薬剤師に相談するのが安心です。
3. 抗ヒスタミン薬
具体例:第一世代の抗ヒスタミン薬(ジフェンヒドラミン、クロルフェニラミンなど)。
理由:第一世代の抗ヒスタミン薬は気道を乾燥させる傾向があり、これが痰の排出を難しくし、気道が詰まりやすくなることがあります。特に発作時に服用すると、症状が悪化する可能性があるため、使用には注意が必要です。
注意点:抗アレルギー薬が必要な場合は、第二世代の抗ヒスタミン薬(例:ロラタジン、セチリジン)などを医師と相談の上で使用する方が無難です。
4. 気管支収縮作用を持つ薬(鼻づまり薬)
具体例:血管収縮剤を含む鼻炎薬(ネオシネジン、プソフェキなど)。
理由:これらの薬は鼻づまりを解消するために血管を収縮させる成分が含まれており、副交感神経の作用に影響を与えることで気管支を収縮させることがあります。これが喘息の発作を引き起こしたり悪化させたりする要因になります。
注意点:鼻づまりがある場合も、これらの薬を自己判断で使用せず、医師に相談することが重要です。
まとめ
喘息発作が起きているときは、特に以下のポイントを守るようにしましょう。
- NSAIDs(非ステロイド性抗炎症薬)を避ける。
- 鎮咳薬で咳を無理に抑えない。
- 第一世代の抗ヒスタミン薬を避ける。
- 血管収縮剤を含む鼻づまり薬を使用しない。
発作時は、医師から処方された吸入薬(通常、SABA・短時間作用型のベータ2刺激薬)が適切です。喘息の持病がある場合は、何か症状が出たときや新しい薬を試す際には医師や薬剤師に相談することが大切です。何かあれば当院までお気軽に。
0歳から150歳まで、予約なしでもみんなが笑顔になる、茅ヶ崎ファミリークリニックです。お気軽にどうぞ。
令和6年11月11日
茅ヶ崎ファミリークリニック
院長 石井 尚
茅ヶ崎ファミリークリニック(内科・小児科・皮膚科)
〒253-0054 神奈川県茅ヶ崎市東海岸南5丁目1−21
https://chiga-fami.clinic/