茅ヶ崎市、てっぽう道の茅ヶ崎ファミリークリニック、院長の石井です!
みなさま、お元気でお過ごしでしょうか。当院では、インフルエンザ、コロナ、そしてことしはマイコプラズマもいまだに多く、発熱の患者様や、大人も子どもの患者様も、他院で予約が取れなくなったとお越しの方が多く、非常に待合室が賑わっております。当院スタッフも大変ですが、かなり頑張ってくれてなんとかやっております。
この時期にはスタッフのご家族もスタッフ自身も体調を崩しやすいので、この状況でこの忙しさで、さらに予約なし診療をつづけるという過酷さで、それでも協力してくれている当院スタッフには本当に感謝しかありません。ブログでお礼を言うのもかなりダサいですが、本当にみんなありがとうございます。
そして患者様のみなさま、当院は信念で「予約なし」診療を今後も続けます。急な体調不良、発熱に対応してこそ、やりがいを感じています。ご予約の皆様にはお待ちいただいたりご迷惑おかけしますが、どうぞご理解ください。
さて、予約なし診療の理念はさておき、
今回は喘息と漢方についてのお話をしたいと思います。
今回は、気管支喘息の治療に有効な漢方薬についてご紹介します。気管支喘息に用いられる漢方薬の代表格といえば「麦門冬湯」です。この漢方薬は、百日咳などへの効果はかなり限られるものの、喘息患者には非常に適しており、多くの方に信頼されています。苦味が少なく飲みやすい点も大きな特徴で、当院では子どもたちが「ふりかけ」としてご飯にかけたり、そのまま食べたりする姿も見られます。麦門冬湯はその親しみやすさから、さまざまな飲み方が可能です。
当院では、喘息治療の基本として西洋薬(吸入ステロイドや長時間作用性β2刺激薬など)を中心に行っていますが、低気圧や黄砂、感冒などによる発作には麦門冬湯が役立ちます。特に、朝方に悪化しやすい喘息症状に対しては、就寝前の服用が効果的です。一部の患者さんでは、状況に応じて用量を調整しながら、自身の判断で服用することで、より良い効果が得られるケースもあります。
※ただしこの麦門冬湯、コロナ禍の末期から薬局等での在庫不足がつづいております。この代わりとして、当院では清肺湯を出したりしております。ご理解頂けますと幸いです。
外出時に喉のイガイガや咳が出た際にも、麦門冬湯は10分以内に効き目を発揮するため、安価で迅速な対応が可能です。また、運動時の咳対策として運動直前に服用することも有効で、特に部活動や体育の授業前に効果を発揮します。吸入薬使用時に咳き込む患者には、吸入前に麦門冬湯を服用することで咳を軽減し、薬効を最大限引き出すこともできます。
一方、気管支喘息における別の漢方薬として「柴朴湯」もありますが、私は通常は西洋薬の治療効果が高いため、行き詰まった際の補助的な選択肢として使用しています。成人では生物学的製剤の前段階、小児ではブデソニド吸入が効果を示さない場合に試すことがあり、長期的な内服が必要です。
また、喉の違和感を訴える患者さまに対しては「半夏厚朴湯」や「小柴胡湯」が有効で、心理的要因による症状を改善します。これに加え、GERD(逆流性食道炎)の治療や難治性咳嗽のケースでは、「茯苓飲合半夏厚朴湯」を使用します。これら漢方薬の内服タイミングは柔軟ですが、麦門冬湯と茯苓飲合半夏厚朴湯については食直前が処方上は原則となっています。ただし、食直前は忘れやすいですよね、私は患者様にはお薬手帳は気にせず、食後でもOKですとお伝えしています。
漢方薬と西洋薬を組み合わせることで、喘息治療の選択肢を広げることができ、患者さん一人ひとりに合ったオーダーメイドの治療が予約なしでも可能になります。まだまだ漢方薬については、説明していきたいと思いますが、今日はこの辺で。
0歳から150歳まで、予約なしでもみんなが笑顔になる、茅ヶ崎ファミリークリニックです。お気軽にどうぞ。
令和6年11月15日
茅ヶ崎ファミリークリニック
院長 石井 尚
茅ヶ崎ファミリークリニック(内科・小児科・皮膚科)
〒253-0054 神奈川県茅ヶ崎市東海岸南5丁目1−21
https://chiga-fami.clinic/