茅ヶ崎ファミリークリニック日記

茅ヶ崎てっぽう道の町医者の思うこと。

シリーズ・喘息⑳ 喘息に使える漢方薬について・パート2 茅ヶ崎FC解説

こんにちは!

茅ヶ崎市、てっぽう道の茅ヶ崎ファミリークリニック、院長の石井です!

 

はい、昨日のブログでなにか裏読みをされた方がおられたでしょうか、お問い合わせをいただきました。予約なし診療は当院の開院時からのこだわりですので、大丈夫です。続けていきます。ご心配、ありがとうございます。

 

ただ、昨夜も民放局のニュースをみていて感じました。そのニュースの特集で物価高のいま、営業努力でこだわって「ワンコインランチ」を続けている人気の飲食店の特集がありました。これと同様にというとおこがましく聞こえるかもしれませんが、当院もそれなりに大きなリスクとコストをはらって、こだわりの予約なし診療を続けています。このことをどうかご理解ください。

 

予約なし診療の患者様を診るということは、予約を事前にしてくださっている患者様にどうしても待ち時間が生じてしまっているということ、それと当院の従業員のキャパシティーを度々超えてのただならない努力、それら患者様とスタッフの両者の協力のもとで成り立っていることであります。どうか、それだけはご理解ください。

 

さて、それでは昨日に続き、予約なし診療についてのうんちくのあとは、漢方と喘息の関係につきまして、リアルにきちんと解説させていただきます。

 

 

喘息に限らず、痰が出る場合でも、無色透明の痰が多いケースでは、咳や呼吸時にヒューヒュー、あるいはピーという高音が混じることがあります。このような症状には、麻黄を含む漢方薬がよく使用されます。具体的には、次のような漢方薬が患者さんの状態に応じて処方されます。

 

麻杏甘石湯
 この薬は、体質的に「実証」(エネルギーや体力が比較的旺盛なタイプ)で、汗が出て喉が渇きやすく、顔が赤らむような方に適しています。気管支を拡張し、痰を出しやすくする作用があります。

 

小青竜湯
 体質が「虚証」(エネルギーや体力が低下しているタイプ)の方に適しており、特に顔色が蒼白で、鼻水が多く出る方に効果的です。この薬は、鼻水や痰を抑え、咳を和らげる作用があります。

 

身体部位や症状に応じた処方の重要性

 

漢方医学では、苦しさを感じる部位や症状の特徴によって薬を選ぶことが重要です。例えば、咽喉の苦しさが主な症状の場合と、胸の圧迫感が強い場合では、処方される薬が異なります。また、咳が慢性化している場合や、寒暖差や湿気に敏感な場合には、それらの環境要因を考慮した処方が行われます。

 

効果の発現


漢方薬は、西洋薬に比べて即効性がないと考えられがちですが、喘息に関連する急性の咳や喘鳴(ぜこぜこなど)に対しては、麻黄を含む処方が特に速効性を発揮することがあります。急な咳の場合、1~2回の服用で症状が軽減することもあります。ほとんどの咳嗽(咳など)は1か月程度で改善が見込まれますが、重症例や難治例ではさらに時間がかかることがあります。このような場合には、効果が強力な煎じ薬が用いられることがあります。

 

まとめ


気管支喘息は長期にわたる治療が必要なことが多いですが、漢方薬を適切に用いることで、症状が緩和し、場合によっては吸入ステロイド薬から卒業することも可能です。ただし、素人判断で漢方薬を使用するのははっきり言って危険です。特に喘息は生命に関わる病気であるため、漢方治療を行う際は、経験豊富な医師に相談することが重要です。また、内服を初めて気になることは、当院へはいつでもご相談いただいて結構です。漢方薬と吸入ステロイド薬の併用は基本的に問題ありません。むしろ、喘息の症状を総合的に管理するために、西洋医学と漢方医学を組み合わせることが推奨される場合もあります。このように、漢方薬は患者さん個々の症状や体質に応じた柔軟な対応が可能です。一方で、専門的な知識と経験が必要なため、医師の指導のもとで安全に治療を進めることが大切です。昨日も述べた通り、漢方もそれ以外の治療も、オーダーメイドが原則ですので、当院へはお気軽にご相談を。

 

 

 

0歳から150歳まで、予約なしでもみんなが笑顔になる、茅ヶ崎ファミリークリニックです。お気軽にどうぞ。

 

令和6年11月16日

茅ヶ崎ファミリークリニック

 院長 石井 尚

 

 

 茅ヶ崎ファミリークリニック(内科・小児科・皮膚科)
〒253-0054 神奈川県茅ヶ崎市東海岸南5丁目1−21
https://chiga-fami.clinic/