中華料理は日本でも人気のある料理ジャンルのひとつですが、糖尿病をお持ちの方にとっては「脂っこい」「炭水化物が多い」などのイメージから、控えたほうがよいと思われがちです。
しかし、工夫次第で中華料理も糖尿病と上手に付き合いながら楽しむことができます。今回は、中華料理の特徴と、糖尿病患者さんが気をつけるべきポイント、そして賢い選び方や調理の工夫について詳しくリアルに解説します。
中華料理の特徴と糖尿病における課題
1. 炭水化物の多さ
中華料理では、白米・チャーハン・ラーメン・焼きそば・餃子の皮など、炭水化物が中心になるメニューが多いです。糖尿病の管理では、血糖値を上昇させる糖質の摂取量に注意が必要です。
2. 油の使用量
炒め物や揚げ物に多くの油が使われることが多く、カロリーが高くなりがちです。特に飽和脂肪酸の摂りすぎは、インスリン抵抗性を悪化させる恐れがあります。
3. 味付けと調味料
中華料理は砂糖やでんぷん、オイスターソース、甜麺醤などの糖分を含む調味料が多く使用されます。これらは気づかないうちに糖質量を押し上げてしまいます。
糖尿病の方が中華料理を楽しむためのポイント
1. 主食の量を調整する
・ごはんや麺は控えめに。例えば白米は茶碗1杯(150g)ではなく、半分の75g程度にする。
・ラーメンのスープは残す、麺を半分にする、または「糖質オフ麺」を選ぶ。
・春雨の代わりにきのこやもやしを使う工夫も。
2. 野菜をたっぷり取り入れる
・中華料理にはチンゲン菜、ピーマン、パプリカ、ブロッコリー、もやし、白菜など多様な野菜が使えます。炒め物やスープに多めに入れましょう。
・炒める前に一度茹でることで、油の吸収量を抑えられます。
3. 調理法を工夫する
・揚げ物ではなく、蒸す・茹でる・煮る・焼くなどの調理法を優先する。
・油はできるだけ少なめにし、ごま油やオリーブオイルなど良質な脂質を選ぶ。
4. 調味料を見直す
・オイスターソースや甜麺醤の使用量を減らし、塩・酢・香辛料で味を調えるようにします。
・糖質の少ない自家製の調味料(しょうが・にんにく・酢・唐辛子など)を活用すると良い。
外食やテイクアウトでの選び方
中華料理店での外食やテイクアウトでも、次のような工夫で血糖値をコントロールしやすくなります:
主食を単品で頼まず、単品おかず+サラダで構成する
八宝菜や蒸し鶏など、野菜やたんぱく質が多いメニューを選ぶ
ラーメンやチャーハンは避け、スープや野菜炒めなどと組み合わせる
量を食べ過ぎないように、取り分けるか持ち帰りを検討する
具体的なおすすめメニュー例
避けたいメニュー 代替メニュー
チャーハン 野菜たっぷりスープ+少量ごはん
酢豚(あんかけ) 黒酢の酢豚(あんなし)、または蒸し鶏と野菜炒め
焼きそば 野菜炒め+豆腐の中華風スープ
小籠包・餃子の皮あり レタス包みや皮なし餃子(家庭で)
まとめ
中華料理に限らず、どんな料理も工夫次第で味方になります。
糖尿病だからといって、中華料理を完全に避ける必要はありません。
栄養バランスを意識し、「量」と「質」のコントロールを行うことで、美味しく安全に楽しむことができます。自宅での調理はもちろん、外食時も賢く選んで、ストレスのない食生活を送りましょう。
それでは今日はこのへんで。
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令和7年 6月 1日
茅ヶ崎ファミリークリニック
院長 石井 尚
茅ヶ崎ファミリークリニック(内科・小児科・皮膚科)
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