糖尿病患者が気をつけたい熱中症対策
暑い季節になると心配なのが熱中症です。
私自身、若い頃に米国の酷暑地であるアリゾナ州に数年住んでいたことがあり、
最高気温が50度を超える世界の中で、
数分の駐車で自動車のバッテリーが上がってしまったり、
1日4リットル以上の飲水が必須だったり、
とにかく夏の暑さで命を落とす人がたくさんいる、
このようなことを身近に感じながら思春期を過ごしました。
いっぽうで、温暖な気候であるここ茅ヶ崎でも、
特に糖尿病をお持ちの方は、
体温調節機能や脱水のリスクに影響を受けやすく、
一般の方よりも多くの注意が必要です。
今回は、糖尿病のある方が夏を安全に過ごすための熱中症対策についてリアルに解説します。
なぜ糖尿病の人は熱中症になりやすいのか?
糖尿病になると、以下のような理由で熱中症のリスクが高まります。
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自律神経の働きが低下し、汗をかきにくくなる
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高血糖によって尿量が増え、体内の水分が不足しやすい
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腎機能が低下していると、水分や電解質の調整が難しくなる
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感覚が鈍くなって暑さに気づきにくいことがある
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これらの要因が重なることで、体温が上昇しても適切に調節できず、熱中症につながるおそれがあります。
糖尿病患者のための熱中症対策ポイント
1.こまめな水分補給を心がける
のどが渇いていなくても、定期的に水分を摂ることが大切です。1日あたり1.2〜1.5リットルを目安に、少量ずつ分けて飲みましょう。スポーツドリンクは糖分が多いため、糖尿病の方には向かない場合があります。必要に応じて、電解質を含んだ無糖の経口補水液を選びましょう。
2.気温や湿度に応じた服装を選ぶ
通気性の良い、ゆったりとした服装を選び、外出時は帽子や日傘で直射日光を避けるようにしましょう。
3.エアコンを適切に使う
室内でも熱中症は起こります。無理をせず、エアコンや扇風機を上手に活用して室温を26〜28度に保ちましょう。就寝中もタイマーなどを使って温度管理を忘れずに。
4.食事をしっかり摂る
夏バテで食欲が落ちやすくなりますが、栄養バランスの良い食事は体力維持に欠かせません。特に塩分やミネラルも熱中症対策には重要です。かかりつけ医や栄養士の指導のもと、無理のない食事管理を続けましょう。
5.体調の変化に敏感になる
めまい、頭痛、倦怠感、吐き気などの症状があれば、すぐに涼しい場所で休み、水分を補給し、症状が改善しない場合は速やかに医療機関を受診しましょう。
まとめ
糖尿病をお持ちの方は、体のサインに耳を傾けながら、早め早めの対策を心がけることが大切です。夏を元気に乗り切るために、日々の生活習慣を見直し、無理のない範囲で予防に努めましょう。ご不安なことがあれば、いつでも当院にご相談ください。
それでは!
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予約なしでもみんなが笑顔になる、
茅ヶ崎ファミリークリニックです。
お気軽にどうぞ~。
令和7年 6月22日
茅ヶ崎ファミリークリニック
院長 石井 尚
茅ヶ崎ファミリークリニック(内科・小児科・皮膚科)
〒253-0054 神奈川県茅ヶ崎市東海岸南5丁目1−21
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