茅ヶ崎ファミリークリニック日記

茅ヶ崎てっぽう道の町医者の思うこと。

季節の変わり目 高齢者の熱中症

こんにちは!

茅ヶ崎市、てっぽう道の茅ヶ崎ファミリークリニック、副院長の酒井です!

 

5月も後半に入り、日中は半袖でちょうどいい日が増えてきましたね。

その一方で、朝晩はまだひんやりしたり、これから梅雨どきに向けて湿気が増えてきたり――この時期は寒暖差や湿度の変化が大きく、体がついていきにくい季節です。

 

「熱中症」と聞くと、真夏のカンカン照りの日を思い浮かべる方が多いと思います。ですが実は、まだ夏本番ではないこの"季節の変わり目"こそ、特に高齢の方に注意していただきたい時期なのです。

 

今回は、なぜ季節の変わり目に熱中症が起きやすいのか、そして高齢者がなぜ特に気をつけるべきなのかを、分かりやすくお話しします。

 

 

 

なぜ「季節の変わり目」に熱中症が起きるの?

「まだそんなに暑くないのに、どうして?」と思われるかもしれません。実は、この時期ならではの理由があります。

 

大きな理由は次の3つです。

• 体がまだ暑さに慣れていない(暑熱順化〈しょねつじゅんか〉ができていない)

• 朝晩と日中の寒暖差が大きく、体温調節が追いつかない

• 梅雨どきは湿度が高く、汗がうまく蒸発せず熱がこもりやすい

 

特に大切なのが、一番上の「暑さへの慣れ」です。人の体は、暑い環境にくり返しさらされることで、少しずつ汗をかきやすく、熱を逃がしやすい体に変わっていきます。これを暑熱順化といいます。

 

ところが、まだ涼しい日が続いていた体は、この準備ができていません。そこへ急に気温が上がった日が来ると、体がうまく対応できず、思いがけず熱中症になってしまうのです。

 

気温がそれほど高くない日でも、湿度が高いだけで熱がこもり、体調を崩す方は少なくありません。

 

 

高齢者が特に注意すべき理由

熱中症はどなたにも起こり得ますが、高齢の方は特にリスクが高いことが分かっています。これには、加齢にともなう体の変化が関係しています。

 

主な理由は次のとおりです。

• 暑さや「のどの渇き」を感じにくくなる

• 汗をかきにくく、体の熱を外に逃がす力が低下している

• 体内に蓄えられる水分量がもともと少ない

• 持病やお薬の影響で、水分・体温の調節に影響が出ることがある

 

「暑い」「のどが渇いた」という感覚は、体が出す大切なサインです。ところが年齢を重ねると、このセンサーがゆるやかになり、本人が気づかないうちに体が脱水に傾いてしまうことがあります。

 

「私はのどが渇いていないから大丈夫」――この感覚こそが、実は落とし穴になることがあるのです。

 

また、糖尿病や高血圧、心臓・腎臓の病気をお持ちの方、利尿薬などを服用されている方は、水分や塩分のバランスにより注意が必要なこともあります。気になる方は、お薬との関係も含めてお気軽にご相談ください。

 

 

こんなサインに気づいて――"隠れ熱中症"のサイン

季節の変わり目の熱中症は、いかにも「倒れる」ような派手な症状ではなく、なんとなくの不調として静かに始まることがあります。これがいわゆる"隠れ熱中症"です。

 

次のような様子があれば、注意してあげてください。

• なんとなく元気がない、ぼんやりしている

• 食欲がない、いつもより食事が進まない

• 微熱が続く、体が熱っぽい

• 頭痛や、立ちくらみ・めまいがある

• 手足や足の筋肉がつりやすい

• 尿の回数や量が減っている

 

こうした症状は、「ちょっと疲れただけかな」「年のせいかな」と見過ごされがちです。ですが、その裏で体の水分が不足し、熱中症が進んでいることもあります。

 

特にご高齢のご家族と離れて暮らしている方は、電話やお顔を見たときに「いつもと違うな」と感じたら、遠慮なく声をかけてあげてください。ご本人が気づきにくいぶん、まわりの"気づき"がとても大切になります。

 

 

今日からできる予防のポイント

難しいことは必要ありません。毎日のちょっとした心がけで、熱中症はぐっと防ぎやすくなります。

 

今日から意識してみてください。

• のどが渇く前に、こまめに水分をとる(少しずつ何回も)

• 「暑い」と感じる前に、早めにエアコンや扇風機を使う

• 室温・湿度を時々チェックする(温湿度計があると安心です)

• 通気性のよい、ゆったりした服装を心がける

• 寒暖差の大きい日は、脱ぎ着しやすい服で調整する

• 暑くなる前のこの時期から、無理のない範囲で体を動かし、少しずつ暑さに慣らしていく

 

「エアコンはまだ早い」「もったいない」と我慢してしまう方も多いのですが、体調を崩してしまっては元も子もありません。暑さを感じる前の早めの一手が、何よりの予防になります。

 

水分は、一度にたくさんではなく、コップ1杯を1日に何回も――というイメージで。汗を多くかいたときは、塩分や経口補水液も上手に取り入れるとよいでしょう。

 

茅ヶ崎ファミリークリニックからのお願い

1. 「いつもと違う」を見逃さないでください
だるさ、食欲低下、微熱――こうした小さな変化が、体からの大切なサインのことがあります。気になったら早めにご相談ください。

 

2. 持病やお薬が気になる方はお気軽に
糖尿病・高血圧などの持病がある方、お薬を飲んでいる方は、水分・塩分のとり方に迷うこともあると思います。一人ひとりに合わせて一緒に考えますので、ご相談ください。

 

3. 予約がなくても受診できます
「これくらいで受診していいのかな」とためらう必要はありません。当院は予約なしでも診療しています。気になる症状があれば、どうぞお気軽にお越しください。

 

まとめ

季節の変わり目の熱中症について、大切なポイントをまとめます。

• 真夏でなくても、体が暑さに慣れていないこの時期こそ要注意

• 高齢の方は暑さやのどの渇きを感じにくく、気づかないうちに脱水が進むことがある

• だるさ・微熱・食欲低下などの"隠れ熱中症"のサインを見逃さない

• こまめな水分補給と、早めのエアコン使用が何よりの予防

 

熱中症は、正しく知って備えれば、しっかり防ぐことができます。そして、ご本人だけでなく、ご家族や周りの方の"気づき"が、大きな力になります。

 

少しでも気になることがあれば、どうぞお気軽にご相談ください。地域の皆さまが、この季節を元気に乗りきれるよう、一緒に支えていきます。

0歳から150歳まで、予約なしでもみんなが笑顔になる、茅ヶ崎ファミリークリニックです。お気軽にどうぞ。

 

令和 8年 5月 24日

茅ヶ崎ファミリークリニック

 副院長 酒井 和也

茅ヶ崎ファミリークリニック(内科・小児科・皮膚科)
〒253-0054 神奈川県茅ヶ崎市東海岸南5丁目1−21
https://chiga-fami.clinic/