こんにちは!
茅ヶ崎市、てっぽう道の茅ヶ崎ファミリークリニック、副院長の酒井です!
「最近、お父さん(お母さん)が少し痩せてきたみたい」
ご家族とお話ししていると、そんな声をよく耳にします。そして決まって、こう続くのです。
「でも、歳だから仕方ないですよね」
たしかに、年齢とともに体は少しずつ変わっていきます。ですが――その「痩せ」、本当に年のせいだけでしょうか。
実はその裏に、フレイル(虚弱)という見逃してはいけないサインが隠れていることがあります。今回は「加齢による自然な変化」と「フレイル」の違いについて、分かりやすくお話しします。

「年のせい」と「フレイル」、どこが違うの?
年齢を重ねれば、食欲が少し落ちたり、体重がゆるやかに減ったりすることはあります。これ自体は、ある程度は自然な変化です。
問題は、その変化のスピードと度合いです。
たとえば、こんな違いがあります。
• 自然な加齢――数年かけて、ごくゆるやかに変化する
• フレイル――半年〜1年で、はっきりと痩せた・弱った
「気づいたら服がぶかぶかになっていた」「半年で体重が2〜3kg以上減った」――こうした急な変化は、加齢というより、フレイルのサインかもしれません。
フレイル(虚弱)ってなに?
フレイルとは、健康な状態と、介護が必要な状態のちょうど"あいだ"のことです。
簡単に言うと、「年齢とともに心と体の元気が少しずつ落ちて、弱ってきている状態」を指します。
大切なのは――フレイルは、まだ引き返せる段階だということです。
放っておくと要介護につながりやすくなりますが、早めに気づいて手を打てば、再び元気な状態に戻ることも十分に可能です。だからこそ、「ただの痩せ」で片づけてしまわないことが大切なのです。
こんなサインは要注意!フレイルのチェックポイント
次のような変化が見られたら、フレイルが始まっているかもしれません。ご本人だけでなく、ご家族の目線でも確認してみてください。
• 半年で体重が2〜3kg以上減った
• 以前より歩くのが遅くなった
• ペットボトルのふたが開けにくい、握る力が弱くなった
• 疲れやすく、「なんだか疲れた」と言うことが増えた
• 外出する回数が減り、家にこもりがちになった
• 食事の量が減った、固いものを避けるようになった
ご自宅で簡単にできる目安として、「指輪っかテスト」もあります。
両手の親指と人差し指で輪っかを作り、ふくらはぎの一番太いところを軽く囲んでみてください。指の輪っかとふくらはぎの間に隙間ができてしまう場合は、筋肉が減っている可能性があります。
※あくまで簡易的な目安ですので、気になる方は一度ご相談ください。
なぜ「痩せ」が危険なのか ~負のサイクル~
「少し痩せただけ」と思っていても、高齢の方の場合、それが思わぬ悪循環の入り口になることがあります。
たとえば、こんな流れです。
• 食欲が落ちる → 栄養が足りなくなる(低栄養)
• 栄養が足りない → 筋肉が減る(サルコペニア)
• 筋肉が減る → 動くのがおっくうになる
• 動かない → さらに食欲が落ちる
このように、痩せと筋力低下がぐるぐると悪循環を作ってしまうのです。これを医学的にはフレイル・サイクルと呼びます。
筋肉は、ただ体を動かすためだけのものではありません。免疫や体力の土台でもあります。筋肉が減ると、ちょっとした風邪や転倒をきっかけに、一気に弱ってしまうこともあるのです。
だからこそ、「痩せてきたかな」という早い段階で気づくことが、何より大切なのです。
今日からできること
フレイルは、日々の心がけで予防・改善ができます。ポイントは「食べる・動く・つながる」の3つです。
1. しっかり食べる(栄養)
特に大切なのが、肉・魚・卵・大豆などのたんぱく質です。「歳だからあっさりしたものを」と思いがちですが、高齢の方こそ、しっかりたんぱく質をとることが筋肉を守ります。
2. こまめに動く(運動)
激しい運動は要りません。散歩や、椅子に座ったままの足上げ運動でも十分です。「むせる」「飲み込みにくい」がある方は、食べる力=嚥下(えんげ)のケアも合わせて大切になります。
3. 人とつながる(社会参加)
意外と見落とされがちですが、人と会う・おしゃべりするといった社会的なつながりも、フレイル予防にとても大切です。外出や会話は、心と体の両方に良い刺激になります。
茅ヶ崎ファミリークリニックでできること
「これってフレイルかな?」と思っても、何から始めればいいか分からない――そんな時こそ、かかりつけ医にご相談ください。
当院では、こんなサポートができます。
• 体重・筋力・栄養状態のチェック
• 食事や栄養についてのご相談
• 飲み込む力(嚥下)が気になる方へのケア
• 持病(糖尿病・高血圧など)と合わせた体調管理
• ご家族からのご相談も歓迎します
「ご本人は元気と言っているけれど、家族から見ると心配」――そんなご相談もよくお受けしています。気になることがあれば、ご本人もご家族も、どうぞお気軽にお越しください。
まとめ
「その痩せ」は、年のせいとは限りません。
• 半年で2〜3kg以上の体重減少は要注意のサイン
• フレイルは、健康と要介護のあいだの"引き返せる"段階
• 早く気づけば、また元気を取り戻せる
• 大切なのは「食べる・動く・つながる」の3つ
「歳だから」と諦めてしまう前に、ぜひ一度、ご自身やご家族の体の変化に目を向けてみてください。早めの一歩が、これからの元気を大きく左右します。
少しでも気になることがあれば、どうぞお気軽にご相談ください。
0歳から150歳まで、予約なしでもみんなが笑顔になる、茅ヶ崎ファミリークリニックです。お気軽にどうぞ。
令和 8年 5月 27日
茅ヶ崎ファミリークリニック
副院長 酒井 和也
茅ヶ崎ファミリークリニック(内科・小児科・皮膚科)
〒253-0054 神奈川県茅ヶ崎市東海岸南5丁目1−21
https://chiga-fami.clinic/