こんにちは!
茅ヶ崎市、てっぽう道の茅ヶ崎ファミリークリニック、副院長の酒井です!
健康診断の結果が返ってきて、「肝機能の数値に異常があります」「要再検査」と書かれていてドキッとした――そんな経験はありませんか。
そして、こうおっしゃる方がとても多いのです。「私、お酒はほとんど飲まないのに、なぜ肝臓の数値が高いんでしょう?」と。
当院でも、健診シーズンになると、この相談で来院される方が毎日のようにいらっしゃいます。
今回は、健診で指摘されやすい「AST・ALT・γ-GTP」という肝機能の数値について、そして「お酒を飲まないのに数値が高い」と言われる本当の理由について、分かりやすくお話しします。

AST・ALT・γ-GTPって、そもそも何の数字?
健診の結果用紙に並んでいる、暗号のようなアルファベット。まずはこの3つが何を表しているのかを、やさしく整理してみましょう。
• AST(エーエスティー/別名GOT)――肝臓や心臓、筋肉などに含まれる酵素です
• ALT(エーエルティー/別名GPT)――主に肝臓に多く含まれる酵素で、肝臓の状態をよく反映します
• γ-GTP(ガンマジーティーピー)――肝臓や胆道(たんどう)の状態を映す酵素で、お酒の影響を受けやすいことで知られます
これらはいずれも、本来は肝臓の細胞などの"中"で働いている酵素です。
肝臓の細胞が傷つくと、中身が血液中にもれ出してきます。そのため血液検査で数値が高く出る――つまり「肝臓が少し疲れている、傷ついているサイン」と考えていただくと分かりやすいと思います。
数値が高くなる主な原因とは
「肝機能の数値が高い=お酒の飲みすぎ」というイメージをお持ちの方は多いのですが、実際には原因はさまざまです。
主なものとしては、次のようなものがあります。
• 脂肪肝(しぼうかん)――肝臓に脂肪がたまった状態。実は最も多い原因のひとつです
• アルコールの影響――習慣的な飲酒で肝臓に負担がかかっている状態
• ウイルス性肝炎――B型・C型などの肝炎ウイルスによるもの
• 薬剤性――一部のお薬やサプリメントが影響することがあります
• そのほか――胆道(たんどう)の病気、自己免疫の病気などが隠れていることも
大切なのは、数値が高い「原因」をきちんと見極めることです。原因によって、その後の対応がまったく違ってくるからです。
「お酒を飲まないのに高い」――増えている脂肪肝の話
さて、冒頭の「お酒を飲まないのに数値が高い」という疑問。その答えとして近年とても注目されているのが、お酒を飲まない方にも起こる脂肪肝です。
かつては「お酒を飲まない人の脂肪肝」を非アルコール性脂肪性肝疾患(NAFLD)と呼んでいましたが、近年はMASLD(マスルド)=代謝機能障害関連脂肪性肝疾患という新しい呼び方へと考え方が整理されてきました。
これは、肥満・糖尿病・脂質異常症・高血圧といった、いわゆる"生活習慣病"と深く関わる脂肪肝です。
つまり――お酒を飲まなくても、
• 食べ過ぎや運動不足で体重が増えている
• 血糖値や中性脂肪が高めと言われている
• お腹まわりが気になってきた
こうした方では、肝臓に脂肪がたまり、AST・ALT・γ-GTPの数値が上がってくることがあるのです。
「お酒を飲まないから大丈夫」ではなく、「お酒を飲まなくても、生活習慣から肝臓が疲れることがある」――ここがとても大切なポイントです。
放っておくとどうなるの?
肝臓は「沈黙の臓器」とも呼ばれます。かなり傷ついても、自覚症状がほとんど出ないことが多いのです。
だからこそ、健診の数値が、肝臓からの数少ないメッセージになります。
脂肪肝の多くはすぐに重い病気になるわけではありません。ですが、長い時間をかけて、一部の方では肝臓に炎症が続き、線維化(せんいか/肝臓が硬くなること)が進んでいくことがあります。
また、脂肪肝の背景にある糖尿病や脂質異常症は、肝臓だけでなく、心臓や血管の病気のリスクにもつながります。
過度に怖がる必要はありません。ただ、「ずっと放置してよいものではない」ということは、知っておいていただきたいと思います。
こんな方は一度ご相談を
次のような方は、一度きちんと調べておくことをおすすめします。
• 健診でAST・ALT・γ-GTPの異常を指摘された
• 毎年のように「肝機能要注意」と言われている
• お酒を飲まないのに数値が高いと言われた
• 体重が増えてきた、血糖値や中性脂肪が高めと言われている
• 過去に肝炎を指摘されたことがある
「数値が少し高いだけだから」と毎年見送ってしまう方も少なくありません。ですが、一度原因を確かめておくだけで、その後の安心がまったく違ってきます。
茅ヶ崎ファミリークリニックでできること
当院では、肝機能の数値を指摘された方に対して、まず原因をていねいに調べていくことを大切にしています。
• 血液検査――肝炎ウイルスの有無や、より詳しい肝臓の状態を確認します
• 腹部エコー(超音波)検査――脂肪肝や、肝臓・胆道の状態をその場で確認できます
• 生活習慣のご相談――食事・運動・体重・お酒との付き合い方を一緒に考えます
当院は糖尿病内科も標榜しており、脂肪肝の背景にある糖尿病・脂質異常症・肥満まで含めて、一人ひとりに合わせて一緒に対策を考えていくことができます。
脂肪肝は、生活習慣の見直しによって改善が期待できる状態でもあります。決して「もう手遅れ」ということはありません。一緒に、できることから始めていきましょう。
もちろん、当院は予約なしでも受診していただけます。健診結果をお持ちいただければ、その場で内容を確認しながらご説明します。
まとめ
今回お伝えしたかったことを、最後に整理します。
• AST・ALT・γ-GTPは、肝臓が傷ついているサインを映す数値
• 「お酒を飲まない=肝臓は安心」ではない
• 生活習慣に関わる脂肪肝(MASLD)が近年増えている
• 肝臓は沈黙の臓器。健診の数値は貴重なメッセージ
• 原因を確かめれば、できる対策が見えてくる
健診で肝機能を指摘された方、「お酒を飲まないのに数値が高い」と不安に思っている方は、どうぞお気軽にご相談ください。結果用紙を一枚お持ちいただくだけで大丈夫です。
0歳から150歳まで、予約なしでもみんなが笑顔になる、茅ヶ崎ファミリークリニックです。お気軽にどうぞ。
令和 8年 5月 30日
茅ヶ崎ファミリークリニック
副院長 酒井 和也
茅ヶ崎ファミリークリニック(内科・小児科・皮膚科)
〒253-0054 神奈川県茅ヶ崎市東海岸南5丁目1−21
https://chiga-fami.clinic/