茅ヶ崎ファミリークリニック日記

茅ヶ崎てっぽう道の町医者の思うこと。

足の親指がズキズキ…痛風と偽痛風、似ているようで違うお話

こんにちは!

茅ヶ崎市、てっぽう道の茅ヶ崎ファミリークリニック、副院長の酒井です!

 

「夜中に突然、足の親指がズキズキと痛みだして、朝には腫れて歩けないほどになった」

当院でも、毎日のようにこうした訴えで来られる方がいらっしゃいます。昔から「風が吹いても痛い」と言われるほどの、あの激しい痛み――痛風(つうふう)です。

 

ところが、よく似た痛みなのに、まったく原因の違う「偽痛風(ぎつうふう)」という病気があることは、意外と知られていません。

今回は、似ているようで実は違う「痛風」と「偽痛風」について、分かりやすくお話しします。

 



 

痛風ってどんな病気?

痛風は、血液中の「尿酸(にょうさん)」が増えすぎることで起こる病気です。

 

尿酸は、食べ物やからだの細胞に含まれる「プリン体」が分解されてできる、いわば老廃物のようなものです。

この尿酸が増えすぎると、関節の中で結晶(けっしょう)――つまり細かなトゲのような塊になります。それを体が「異物だ」と認識して攻撃するため、激しい炎症と痛みが起こるのです。

 

血液検査で尿酸値が
• 7.0 mg/dL を超えると「高尿酸血症(こうにょうさんけっしょう)」
と診断されます。

 

ただし、尿酸値が高いからといって、すぐに痛風になるわけではありません。長い年月をかけて少しずつ結晶がたまり、あるとき一気に発作として現れる――それが痛風の特徴です。

 

こんなサインに要注意

痛風の発作には、いくつかの典型的な特徴があります。

• 足の親指の付け根が腫れて、激しく痛む

• 夜中から明け方にかけて突然起こることが多い

• 赤く腫れあがり、熱を持ち、触れるだけで激痛が走る

• 数日でピークを迎え、1〜2週間ほどで自然に治まることもある

 

痛風というと足の親指のイメージが強いですが、足首、膝、手の指など、ほかの関節に出ることもあります。「治まったから大丈夫」と放っておくと、発作を繰り返すうちに間隔が短くなり、関節が変形してしまうこともあります。気になる症状があれば早めに相談することが大切です。

 

 

「偽痛風」って? ―― 痛風とどう違うのか

さて、ここからが今回の本題です。

痛風によく似た発作を起こす病気に、「偽痛風(ぎつうふう)」があります。名前に「痛風」とついていますが、原因はまったく別物です。

 

痛風が「尿酸」の結晶で起こるのに対して、偽痛風は「ピロリン酸カルシウム」というカルシウムの結晶が関節にたまることで起こります。

 

両者の違いを整理すると――

• 原因の結晶:痛風は尿酸/偽痛風はカルシウム

• 出やすい場所:痛風は足の親指が多い/偽痛風は膝・手首・肩など大きな関節が多い

• 起こりやすい年代:痛風は中年男性に多い/偽痛風は高齢の方に多い

• 食生活との関係:痛風は食事やお酒と関係が深い/偽痛風は食事とはあまり関係しない

 

痛みの出方や腫れ方がよく似ているため、症状だけで見分けるのは難しいことも少なくありません。

 

「親指じゃなくて膝が腫れたから痛風ではないだろう」と自己判断せず、きちんと検査を受けることが大切です。当院では、血液検査や必要に応じてレントゲン検査などを行い、丁寧に見極めていきます。

 

放っておくとどうなる?

痛風は、ただ「痛い病気」というだけではありません。

 

尿酸値が高い状態が続くと
• 腎臓に負担がかかり、腎機能が低下することがある

• 尿路結石(にょうろけっせき)ができやすくなる

• 高血圧・糖尿病・脂質異常症などと重なりやすい

 

痛風を持っている方は、生活習慣病が隠れていることも多く、心臓や血管の病気のリスクにも関わってきます。

 

つまり、痛風は「からだ全体の生活習慣を見直すサイン」でもあるのです。発作の痛みを抑えるだけでなく、その背景にあるものを一緒に見ていくことが大切だと、私たちは考えています。

 

当院でできること

茅ヶ崎ファミリークリニックでは、痛風・偽痛風に対して次のような対応をしています。

• 血液検査で尿酸値や炎症の程度を確認

• 痛みの強い発作期には、炎症と痛みをやわらげる治療

• 尿酸値が高い方には、再発を防ぐためのお薬の調整

• 食事・お酒・運動など、生活面のアドバイス

 

大切なのは、痛みが治まった後の「次の発作を起こさないための管理」です。発作のときだけ薬を飲んでやめてしまう方も多いのですが、根本にある尿酸値をコントロールしていくことが、長い目で見てとても重要です。

 

「お薬をずっと飲み続けるのは不安」という方も、どうぞ遠慮なくご相談ください。一人ひとりの生活に合わせて、無理のない方法を一緒に考えます。

 

今日からできる予防のコツ

特に痛風は、毎日の生活習慣と深く関わっています。今日から意識できることをまとめました。

• 水分をしっかりとる(尿酸を体の外に出しやすくする)

• お酒を控える(特にビールはプリン体が多め。ただし種類を問わず飲みすぎは禁物)

• レバーや干物など、プリン体の多い食品をとりすぎない

• 適度な運動を続け、肥満を防ぐ

• 急な激しい運動や脱水は、かえって発作の引き金になるので注意

 

「お酒を完全にやめなさい」と言うつもりはありません。大切なのは、無理なく続けられる範囲で整えていくことです。

 

まとめ

痛風と偽痛風は、似ているようで原因がまったく違う病気です。

• 痛風は「尿酸」、偽痛風は「カルシウム」の結晶が原因

• 痛みだけで見分けるのは難しく、検査が大切

• 痛風は生活習慣病が隠れていることも多い

• 発作のあとも、再発を防ぐ管理が何より重要

 

あの激しい痛みは、からだが送ってくれている大切なサインです。「いつものことだから」と我慢せず、まずはご相談ください。

 

0歳から150歳まで、予約なしでもみんなが笑顔になる、茅ヶ崎ファミリークリニックです。お気軽にどうぞ。

 

令和 8年 5月 31日

茅ヶ崎ファミリークリニック

 副院長 酒井 和也

 

茅ヶ崎ファミリークリニック(内科・小児科・皮膚科)
〒253-0054 神奈川県茅ヶ崎市東海岸南5丁目1−21
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