こんにちは!
茅ヶ崎市、てっぽう道の茅ヶ崎ファミリークリニック、副院長の酒井です!
そろそろ、特定健診や職場の健康診断の結果が、お手元に届き始めるころでしょうか。
当院でも、この時期になると「先生、これって大丈夫なやつですか?」と、健診の結果を片手にいらっしゃる方が増えてきます。
封筒を開けて、見慣れない項目に赤い印や「要再検査」の文字。なんだか不安になって、でも体はどこも痛くないし――そのまま引き出しにしまってしまう。そんな方も、実は少なくありません。
今回は、健診で「ちょっと引っかかった」とき、その数値をどう読めばいいのか。放置していい数値、そして放置してはいけない数値について、分かりやすくお話しします。

まず大前提――「要再検査」と「要精密検査」は意味が違います
健診結果でよく見る判定区分には、いくつか段階があります。
ざっくり整理すると、こうです。
• 異常なし/基準範囲内 ―― 今回は問題なし
• 要経過観察 ―― すぐ治療は要らないが、次回も見ておきたい
• 要再検査 ―― もう一度測り直して確認しましょう
• 要精密検査 ―― さらに詳しい検査が必要かもしれません
• 要医療機関受診(要治療)―― 一度きちんと診てもらいましょう
ここで覚えておいてほしいのは、「要再検査」と「要精密検査・要受診」は、重みがまったく違うということです。
"再検査"は、たまたまその日の体調や食事で数値が動いた可能性もあるので、もう一度確認しましょう、という意味合いです。
一方で"精密検査""要受診"は、放っておかずに専門的に調べたり、対応を考えたりしてほしい、というサインです。
同じ「引っかかった」でも、慌てなくてよいものと、後回しにしてほしくないものがあるのです。
引っかかりやすい項目を、やさしく読み解きます
では、健診でよく印がつく項目を、ひとつずつ見ていきましょう。
① 血圧
健診会場という慣れない場所では、緊張で血圧が上がる方も多くいます(いわゆる"白衣高血圧"ですね)。
ですから、健診で一度高かっただけで「高血圧」と決まるわけではありません。
大切なのは、ご家庭で測った値です。
• 診察室血圧 140/90 mmHg以上
• 家庭血圧 135/85 mmHg以上
これらが続くようなら、一度ご相談ください。
血圧は「年齢だから仕方ない」ものではなく、生活と治療で十分に整えられるものです。
② 血糖・HbA1c(ヘモグロビンエーワンシー)
当院が特に力を入れている領域なので、少し丁寧にお話しします。
血糖値は、健診の朝に何を食べたか、何時に食べたかで大きく動きます。
そこで頼りになるのが HbA1c という数値です。これは過去1〜2か月の血糖の"平均点"のようなもので、その日の食事に左右されにくいのが特長です。
おおまかな目安として
• HbA1c 5.6%未満 ―― ひとまず安心の範囲
• 5.6〜6.4% ―― 糖尿病予備群の可能性
• 6.5%以上 ―― 糖尿病が強く疑われる
ここで一番もったいないのが、「予備群」と言われて安心してしまうパターンです。
予備群は、いわば"分かれ道"に立っている状態です。今ここで生活を少し整えれば引き返せることも多く、逆に放置すると静かに進んでいきます。
糖尿病は、初期にはほとんど自覚症状がありません。だからこそ、健診の数値が大切な"お知らせ"になるのです。
③ コレステロール・中性脂肪(脂質)
LDLコレステロール(いわゆる"悪玉")や中性脂肪の項目です。
脂質は、それ自体で痛みやつらさが出るものではありません。だからこそ後回しにされがちですが、長い時間をかけて血管の動脈硬化に関わってきます。
ただ、すぐに薬が必要かどうかは、年齢・血圧・血糖・喫煙などほかの要素も合わせて総合的に判断します。
数値だけを見て一喜一憂せず、一度「自分の場合はどうなのか」を相談していただくのがおすすめです。
④ 肝機能(AST・ALT・γ-GTP)
お酒を飲む方が気にされる項目ですが、近年はお酒をあまり飲まない方の脂肪肝も増えています。
軽い上昇であれば経過を見ることも多いですが、数値が高い場合や、健診のたびに少しずつ上がっている場合は、一度詳しく調べておくと安心です。
⑤ 尿酸値
尿酸が高いと聞くと「痛風」を思い浮かべる方が多いと思います。
痛風発作のあのつらさはもちろんですが、尿酸値は腎臓や血管とも関わってきます。発作が出ていなくても、高い状態が続くなら相談する価値があります。
⑥ 腎機能(eGFR・尿たんぱく)
あまり注目されないのに、実はとても大切なのが腎臓の項目です。
腎臓は"沈黙の臓器"とも呼ばれ、かなり悪くなるまで自覚症状が出ません。
eGFRの低下や、尿たんぱくの指摘があったときは、軽く見ずに一度ご相談いただきたい項目です。
一番危ないのは「とりあえず様子見」のまま放置すること
ここまで読んでくださって、お気づきかもしれません。
健診で引っかかりやすい項目――血圧、血糖、脂質、腎機能――の多くは、初期に自覚症状がないものばかりです。
「どこも痛くないし、元気だから大丈夫」
その感覚は、とても自然なものです。でも、症状がないことと、体が大丈夫なことは、必ずしも同じではありません。
健診の数値は、まだ症状が出ていない"今のうちに"教えてくれる、貴重なサインなのです。
引き出しにしまったままにせず、ぜひ一度、目を通してみてください。
結果を持って、どこに行けばいい?
「再検査と書いてあるけど、何科に行けばいいの?」
これは本当によくいただくご質問です。
血圧、血糖、脂質、肝機能、尿酸、腎機能――こうした健診でよく指摘される項目は、多くがまず内科・かかりつけ医で相談できるものです。
「この項目はどのくらい心配なのか」「次に何をすればいいのか」を一緒に整理して、必要に応じて専門の検査や医療機関につなぐ。それが、かかりつけ医の役割です。
結果票はぜひそのままお持ちください。判定区分や数値の並びを見れば、こちらでも状況が把握しやすくなります。
茅ヶ崎ファミリークリニックでできること
当院では、健診結果のご相談を歓迎しています。
• 結果票の見方が分からない、という段階からのご相談
• 「要再検査」項目の再検査
• 血糖・HbA1cの精査と、糖尿病・予備群の生活相談
• 血圧や脂質の管理、生活指導
特に糖尿病の領域は当院が重点的に取り組んでいる分野です。「予備群と言われて気になっている」という段階こそ、一緒に考えがいのあるタイミングだと思っています。
予約がなくても受診いただけますので、結果票を握りしめて悩む前に、どうぞお気軽にいらしてください。
まとめ
健診結果との上手なつき合い方を、おさらいします。
• 「要再検査」と「要精密検査・要受診」は意味が違う
• 血糖は HbA1c が"平均点"として頼りになる
• 血圧・血糖・脂質・腎機能は、初期に症状が出にくい
• 一番危ないのは「様子見」のまま放置すること
• 迷ったら、結果票を持ってかかりつけ医へ
健診の数字は、あなたを責めるためのものではありません。これからの毎日を、少しよい方向へ変えていくための"きっかけ"です。
「これって大丈夫?」――その一言で構いません。少しでも気になることがあれば、どうぞお気軽にご相談ください。
0歳から150歳まで、予約なしでもみんなが笑顔になる、茅ヶ崎ファミリークリニックです。お気軽にどうぞ。
令和 8年 6月 3日
茅ヶ崎ファミリークリニック
副院長 酒井 和也
茅ヶ崎ファミリークリニック(内科・小児科・皮膚科)
〒253-0054 神奈川県茅ヶ崎市東海岸南5丁目1−21
https://chiga-fami.clinic/