茅ヶ崎ファミリークリニック日記

茅ヶ崎てっぽう道の町医者の思うこと。

通院ができなくなっても。訪問診療が支える、家での時間

こんにちは!

茅ヶ崎市、てっぽう道の茅ヶ崎ファミリークリニック、副院長の酒井です!

 

「足腰が弱くなって、通院がだんだん大変になってきた」

「本人は最期まで家で過ごしたいと言っているけれど、家で医療なんて受けられるのだろうか」

日々診療をしていると、ご本人やご家族から、こうしたお声をよく耳にします。

 

通院ができなくなると、医療そのものを諦めなければならない――そんなふうに感じてしまう方は、少なくありません。

ですが、そんなことはありません。

 

通院が難しくなっても、医療をご自宅にお届けする方法があります。それが「訪問診療」です。

今回は、訪問診療でできること、そして「最期まで住み慣れた家で過ごす」という選択について、分かりやすくお話しします。

 



 

訪問診療とは?――「往診」との違い

訪問診療とは、通院が難しい患者さんのご自宅に、医師が定期的に伺って診療を行う医療のことです。

 

よく似た言葉に「往診(おうしん)」がありますが、両者は少し意味が異なります。

• 訪問診療――あらかじめ計画を立て、定期的(たとえば月2回など)に伺う診療

• 往診――急な体調の変化があったとき、その都度伺う診療

 

訪問診療は、いわば「家まで来てくれるかかりつけ医」です。

定期的に伺うことで体調の変化に早く気づけますし、急なときには往診で対応することもできます。

 

訪問診療でできること

「家で受けられる医療なんて、限られているのでは?」

そう思われる方も多いのですが、実際にはクリニックの外来で行うことの多くを、ご自宅で行うことができます。

 

具体的には
• 血圧・体温・酸素飽和度などの測定と健康状態の確認

• 持病(高血圧・糖尿病・心不全・呼吸器疾患など)の管理

• お薬の処方と調整

• 血液検査・尿検査・心電図など、ご自宅でできる検査

• 点滴や注射、床ずれ(褥瘡=じょくそう)の処置

• 在宅酸素療法や経管栄養などの医療的ケアの管理

• 痛みや息苦しさをやわらげる緩和ケア

「家にいながら、これだけのことができるのか」と驚かれる方もいらっしゃいます。

 

もちろん、ご本人の状態やご自宅の環境によってできることは変わりますが、想像以上に多くの医療をお届けできるのです。

 

そして――最期まで、住み慣れた家で過ごすという選択

訪問診療がお支えできることの一つに、「在宅での看取り(みとり)」があります。

人生の最終段階を、住み慣れた自宅で、ご家族とともに過ごす。

 

「できることなら、最期は病院ではなく家で」――そう願う方は、決して少なくありません。

 

かつては「家で看取るなんて、とても無理」と考えられていた時代もありました。

 

ですが今は、訪問診療や訪問看護、介護サービスが連携することで、ご自宅で穏やかに過ごしながら最期のときを迎えることが、現実的な選択肢になっています。

 

住み慣れた部屋で、見慣れた天井を眺めながら、家族の声を聞いて過ごす時間。

その何気ない日常そのものが、ご本人にとってかけがえのないものになることを、私たちは診療の現場で何度も感じてきました。

 

「家で看取るなんて無理では?」というご家族へ

在宅での看取りと聞くと、ご家族はこんな不安を抱かれることがあります。

• 急に容体が変わったらどうすればいいのか

• 夜中に何かあったとき、家族だけで対応できるのか

• 痛みや苦しみを、家でやわらげてあげられるのか

• 自分たちに、看取る覚悟や知識が足りないのではないか

どれも、ご家族として当然のお気持ちだと思います。

 

ですが、在宅での看取りは、ご家族だけで背負うものではありません。

医師・訪問看護師・ケアマネジャー・ヘルパーといった専門職がチームとなって、ご本人とご家族を支えます。

痛みや息苦しさをやわらげる方法もありますし、夜間や急なときの連絡体制も整えていきます。

 

「何かあったら、すぐに相談できる相手がいる」

その安心感があるだけで、ご家族の負担はずいぶんと軽くなります。

どうか、一人で抱え込まないでください。一緒に考えていきましょう。

 

どんな方が訪問診療の対象になるのか

訪問診療は、「通院が困難な状態」の方が対象になります。

たとえば、次のような方です。

• 足腰が弱くなり、一人での通院が難しい

• 寝たきり、または車椅子での生活をしている

• 認知症があり、外来の受診が負担になっている

• 退院後も、自宅で継続的な医療管理が必要

• 人生の最終段階を、自宅で過ごしたいと考えている

 

「うちの場合は対象になるのかな?」と迷われたら、まずはご相談ください。

ご本人の状態やご希望を伺いながら、訪問診療が合っているかどうかを一緒に確認していきます。

 

当院の訪問診療と、地域の支え合い

茅ヶ崎ファミリークリニックでは、外来診療に加えて、訪問診療にも力を入れています。

大切にしているのは、ご本人とご家族の「こう過ごしたい」という想いを真ん中に置くことです。

 

訪問診療は、クリニックだけで完結するものではありません。

訪問看護ステーション、ケアマネジャー、薬局、介護サービスなど、地域のさまざまな専門職と連携しながら、一つのチームとして患者さんを支えていきます。

 

地域のかかりつけ医として、住み慣れたこの茅ヶ崎の街で、最期まで安心して暮らせる毎日をお手伝いしたい。

それが、私たちの願いです。

 

まずは、ご相談ください

訪問診療を始めるかどうか、すぐに決める必要はありません。

「こういう状態なんだけど、どうしたらいいだろう」

「家で過ごしたいけれど、何から考えればいいのか分からない」

そんな段階でも、まったく構いません。

 

ご本人の状態やご希望、ご家族の不安を伺いながら、これからの過ごし方を一緒に考えていきます。

通院が大変になってきた今が、相談のタイミングかもしれません。どうぞお気軽にお声がけください。

 

まとめ

通院ができなくなっても、医療を諦める必要はありません。

• 訪問診療は、計画的にご自宅へ伺う「家まで来るかかりつけ医」

• 検査・処置・お薬の管理から緩和ケアまで、多くの医療を自宅で受けられる

• 最期まで住み慣れた家で過ごす「在宅での看取り」も支えられる

• ご家族だけで背負うのではなく、チームで一緒に支える

• 迷ったら、まずは相談から始められる

 

住み慣れた家で過ごす時間を、できる限り穏やかなものに。

少しでも気になることがあれば、どうぞお気軽にご相談ください。

 

0歳から150歳まで、予約なしでもみんなが笑顔になる、茅ヶ崎ファミリークリニックです。お気軽にどうぞ。

 

令和 8年 6月 4日

茅ヶ崎ファミリークリニック

 副院長 酒井 和也

 

茅ヶ崎ファミリークリニック(内科・小児科・皮膚科)
〒253-0054 神奈川県茅ヶ崎市東海岸南5丁目1−21
https://chiga-fami.clinic/