こんにちは!
茅ヶ崎市、てっぽう道の茅ヶ崎ファミリークリニック、副院長の酒井です!
「最近、背中が丸くなってきた気がする」「身長が少し縮んだかもしれない」――そんな小さな変化を感じている方はいらっしゃいませんか。
40代後半から50代にかけて、体には実にさまざまな変化が訪れます。ほてりや気分の落ち込みといった更年期の不調はよく知られていますが、その陰でもう一つ、静かに進んでいくものがあります。それが「骨」の変化です。
今回は「骨粗鬆症(こつそしょうしょう)」について、特に50代からの女性に知っておいていただきたいことを、分かりやすくお話しします。

骨粗鬆症ってどんな病気?
骨粗鬆症は、骨の量(骨量)が減り、骨の中身がスカスカになって、もろく折れやすくなってしまう状態のことです。
骨は一見すると変化しないように見えますが、実は体の中で毎日少しずつ古い骨が壊され、新しい骨が作られています。この"骨の新陳代謝"のバランスが崩れ、壊すスピードに作るスピードが追いつかなくなると、骨はだんだんもろくなっていきます。
日本では、骨粗鬆症の患者さんは1,000万人を超えると推計されており、その多くが女性です。決して珍しい病気ではなく、年齢を重ねた女性の多くに関わってくるものなのです。
なぜ50代の女性に多いの?
ここに、更年期との深い関わりがあります。
女性の骨を守るうえで、とても大切な役割を果たしているのが「エストロゲン」という女性ホルモンです。エストロゲンには、骨が壊されすぎないようにブレーキをかける働きがあります。
ところが、閉経を迎える50歳前後になると、このエストロゲンが急激に減ってしまいます。ブレーキが効かなくなった結果、骨が壊されるスピードが一気に速まり、骨量がぐっと減っていくのです。
実際に、閉経後の数年間は、骨量が最も減りやすい時期だと言われています。「更年期だから仕方ない」と見過ごされがちですが、この時期こそ、骨にとってはとても大切な分かれ道なのです。
怖いのは「痛みがない」こと
骨粗鬆症のいちばん厄介なところは、骨がもろくなっても、それ自体では痛みなどの自覚症状がほとんどないことです。
気づかないうちに静かに進行し、ある日ちょっとした転倒や、時には咳やくしゃみといった些細なきっかけで骨折してしまう――そういうことが起こり得ます。
特に注意したいのが、次のような骨折です。
• 背骨(脊椎)の骨折 ―― 知らないうちに背骨がつぶれ、背中が丸くなったり身長が縮んだりする
• 太ももの付け根(大腿骨)の骨折 ―― 転倒で起こりやすく、歩けなくなる原因になる
• 手首の骨折 ―― 転んで手をついたときに折れやすい
なかでも太ももの付け根の骨折は、その後の生活に大きな影響を与えることがあります。骨折をきっかけに寝たきりや要介護につながってしまうケースも少なくありません。だからこそ、折れる前に気づき、備えることがとても大切なのです。
こんな方は特に注意
以下に当てはまる方は、骨粗鬆症のリスクがやや高いと考えられます。
• 閉経を迎えた、または閉経が近い
• 体が小柄、やせ型である
• 家族(特に母親)に骨粗鬆症や骨折の経験がある
• 喫煙の習慣がある
• お酒をよく飲む
• 運動する習慣があまりない
• 過度なダイエットの経験がある
• ステロイドのお薬を長く使っている
「いくつか当てはまるかも」と思った方も、どうか心配しすぎないでください。大切なのは、自分のリスクを知り、早めに手を打つことです。
骨の状態は「測る」ことができます
骨粗鬆症は自覚症状が出にくい病気ですが、骨密度を測定することで、今の骨の状態を客観的に知ることができます。
当院でも、超音波を使った骨密度測定を行っています。かかとに超音波を当てて測る方法で、痛みもなく、放射線の被ばくもありません。短時間で気軽に受けていただけます。
「自分の骨が今どのくらいの状態なのか」を一度知っておくと、その後の予防や治療の方針もぐっと立てやすくなります。健康診断ではなかなか骨までは調べないことが多いので、気になる方は一度測ってみることをおすすめします。
今日からできる、骨を守る習慣
骨粗鬆症は、生活習慣の見直しで予防や進行を緩やかにすることが期待できます。今日から始められることをご紹介します。
1. 骨の材料をしっかりとる
カルシウムは骨の主な材料です。牛乳・乳製品、小魚、大豆製品、緑黄色野菜などを意識してとりましょう。あわせて、カルシウムの吸収を助けるビタミンD(魚やきのこ類)、骨づくりを支えるビタミンK(納豆や青菜)も大切です。
2. 適度に体を動かす
骨は適度な刺激を受けると丈夫になります。ウォーキングなど、体重がかかる運動が効果的です。あわせて、転倒を防ぐために足腰の筋力を保つことも大切です。
3. 日光を浴びる
ビタミンDは日光を浴びることで体内でも作られます。散歩がてら、1日15分ほど日に当たることを意識してみてください。
4. 転ばない工夫をする
骨がもろくても、転ばなければ骨折は防げます。家の中の段差をなくす、滑りにくい靴を選ぶなど、足元の安全にも気を配りましょう。
茅ヶ崎ファミリークリニックからのお願い
1. 更年期の不調を感じたら、骨のことも一緒に考えましょう
ほてりや気分の変化など、更年期の症状はつらいものですが、この時期は骨にとっても大切な分かれ道です。体のさまざまな変化について、まとめてご相談いただけます。
2. 「測る」ことから始めてください
骨密度は、知らなければ気づけません。50歳を過ぎたら、一度ご自身の骨の状態を確認しておくと安心です。予約の有無にかかわらず、お気軽にお越しください。
まとめ
• 骨粗鬆症は骨がもろくなる病気で、特に閉経後の女性に多い
• 女性ホルモン(エストロゲン)の減少が大きく関わっている
• 痛みなどの自覚症状がなく、静かに進行するのが怖いところ
• 骨密度は測定でき、当院でも超音波での検査が可能
• 食事・運動・日光・転倒予防で、骨を守ることができる
「骨の老化」は誰にでも訪れるものですが、決して諦める必要はありません。気づいて、備えれば、これからも自分の足でしっかり歩いていける毎日を守ることができます。
気になることがあれば、どうぞお気軽にご相談ください。地域の皆さまの健やかな毎日を、私たちは一緒に支えていきます。
0歳から150歳まで、予約なしでもみんなが笑顔になる、茅ヶ崎ファミリークリニックです。お気軽にどうぞ。
令和 8年 6月 5日
茅ヶ崎ファミリークリニック
副院長 酒井 和也
茅ヶ崎ファミリークリニック(内科・小児科・皮膚科)
〒253-0054 神奈川県茅ヶ崎市東海岸南5丁目1−21
https://chiga-fami.clinic/