こんにちは!
茅ヶ崎市、てっぽう道の茅ヶ崎ファミリークリニック、副院長の酒井です!
「転んでもいないのに、いつのまにか骨が折れていた」
そんなことが、本当に起こります。
高齢の方に多い「腰椎圧迫骨折(ようついあっぱくこっせつ)」は、その代表的なものです。背骨の骨が、知らないうちにつぶれてしまう骨折で、"いつのまにか骨折"とも呼ばれています。
今回は、この腰椎圧迫骨折について、そして「防ぐために今日からできること」を、分かりやすくお話しします。

腰椎圧迫骨折って、どんな骨折?
背骨は、ブロックのような骨(椎体/ついたい)が積み重なってできています。
このブロックの一つが、上下からの力に耐えきれず、押しつぶされるように変形してしまうのが「圧迫骨折」です。特に、腰のあたり(腰椎)に起こりやすいのが特徴です。
怖いのは、大きな転倒やケガがなくても起きてしまうこと。
たとえば
• くしゃみをした
• 重いものを持ち上げた
• 布団の上げ下ろしをした
• ただ座っただけ
こうした日常のちょっとした動作で、ポキッと、あるいは"じわじわ"と骨がつぶれてしまうことがあるのです。
なぜ、高齢になると起こりやすいの?
その最大の原因が「骨粗しょう症(こつそしょうしょう)」です。
骨粗しょう症は、骨の中身がスカスカになり、もろくなってしまう状態のこと。年齢とともに、特に女性は閉経後に骨の量が急に減りやすくなります。
骨が弱くなると、本来なら耐えられるはずの力にも耐えられなくなります。だからこそ、特別なケガがなくても圧迫骨折が起きてしまうのですね。
そして、一度圧迫骨折を起こすと、次の骨折が起こりやすくなることも分かっています。背骨がひとつ折れると、その負担がほかの骨にもかかり、連鎖するように骨折が続いてしまう――これを「ドミノ骨折」と呼ぶこともあります。
だからこそ、最初の一回を防ぐこと、そして早く気づくことが、とても大切なのです。
こんなサインは要注意
圧迫骨折は、強い痛みが出ることもあれば、痛みがはっきりしないまま進むこともあります。次のようなサインに心当たりがあれば注意が必要です。
• 急に腰や背中が痛くなり、寝返りや起き上がりがつらい
• 背中が丸くなってきた(猫背が進んだ)
• 以前より身長が縮んだ(2cm以上が目安)
• 原因のはっきりしない腰や背中の痛みが続く
• 立ち上がるときや動き始めに痛みが強い
特に「身長が縮んだ」「背中が丸くなった」は、ご本人もご家族も見落としがちなサインです。
痛みが軽いからと様子を見ているうちに、知らないうちに骨折が進んでいた――そんなケースも少なくありません。気になる症状があれば、早めにご相談ください。
圧迫骨折を防ぐために、今日からできること
圧迫骨折を防ぐカギは、「骨を丈夫に保つこと」と「転ばない・無理をしない工夫」の両輪です。今日から始められることを挙げてみます。
1. 骨を作る栄養をしっかり摂る
カルシウム(牛乳・小魚・大豆製品など)に加え、その吸収を助けるビタミンD(魚・きのこ・日光浴)、骨の質を支えるビタミンKやたんぱく質もバランスよく。「食べないダイエット」は骨にとっては大敵です。
2. 適度に体を動かす
ウォーキングなど、骨に程よく刺激が加わる運動は骨を丈夫にしてくれます。筋力がつけば、転倒そのものも防ぎやすくなります。無理のない範囲で、毎日少しずつが理想です。
3. 転びにくい環境をつくる
段差をなくす、滑り止めを敷く、夜間の足元を明るくする、手すりをつける――。お家の中の「ちょっとした危険」を減らすことが、骨折予防に直結します。
4. 重いものは無理して持たない
骨が弱っていると、日常の何気ない動作が骨折のきっかけになります。重いものは分けて運ぶ、しゃがんで持ち上げるなど、腰への負担を減らす工夫を。
5. 骨密度を一度チェックする
そして何より大切なのが、「自分の骨が今どんな状態なのか」を知ることです。骨密度の検査を受けることで、骨が弱り始めていないかを早めに把握できます。
茅ヶ崎ファミリークリニックでできること
「骨が心配だけど、何から始めればいいか分からない」
そんな方は、まずご相談ください。当院では、骨粗しょう症の検査や治療、そして生活面のアドバイスまで、地域のかかりつけ医として一緒に取り組んでいます。
骨密度の状態を確認し、必要に応じてお薬による治療や、食事・運動の具体的なアドバイスもご提案します。骨粗しょう症の治療は近年大きく進歩しており、骨を強くして骨折を防ぐ選択肢が増えています。
また、当院では訪問診療も行っています。痛みで通院が難しい方、ご高齢でなかなか外出できない方も、どうぞ遠慮なくご相談ください。
まとめ
腰椎圧迫骨折は、特別な人だけに起こるものではありません。骨が弱くなれば、誰にでも起こり得る、とても身近な骨折です。
• 転んでいなくても、日常動作で起こることがある
• 背中が丸くなる・身長が縮むのは大切なサイン
• 骨を作る栄養と運動、転倒予防がカギ
• 骨密度を一度測って、今の状態を知ることが第一歩
「年齢だから仕方ない」と諦める必要はありません。骨は、今からの行動で守っていくことができます。
腰や背中の痛みが気になる方、ご家族の背中が丸くなってきたと感じる方は、どうぞお気軽にご相談ください。一緒に考えていきましょう。
0歳から150歳まで、予約なしでもみんなが笑顔になる、茅ヶ崎ファミリークリニックです。お気軽にどうぞ。
令和 8年 6月 8日
茅ヶ崎ファミリークリニック
副院長 酒井 和也
茅ヶ崎ファミリークリニック(内科・小児科・皮膚科)
〒253-0054 神奈川県茅ヶ崎市東海岸南5丁目1−21
https://chiga-fami.clinic/