こんにちは!
茅ヶ崎市、てっぽう道の茅ヶ崎ファミリークリニック、副院長の酒井です!
「最近、少し歩いただけで息が切れる」「夕方になると足がむくむ」「夜、横になると咳が出て眠れない」――。
こうした変化を、つい「年のせいかな」と片づけてしまっていませんか。
ですが、その小さなサインの裏に、心臓が静かに弱り始めている「心不全(しんふぜん)」が隠れていることがあります。
今回は、当院でも日々向き合っている「心不全の原因」について、できるだけ分かりやすくお話しします。原因を知っておくことは、防ぐこと、そして早く気づくことにつながります。

そもそも「心不全」とは?
「心不全」と聞くと、ひとつの病名のように感じる方が多いのですが、実はそうではありません。
心不全は、さまざまな原因によって心臓のポンプとしての働きが弱まり、全身に十分な血液を送り出せなくなった「状態」を指す言葉です。
日本循環器学会の定義でも、心不全は「心臓が悪いために息切れやむくみが起こり、だんだん悪くなって生命を縮める病気」とやさしく説明されています。
つまり大切なのは――「心不全という状態を引き起こしている、おおもとの原因は何か」を見つけることなのです。
心不全を引き起こす主な原因
心不全の背景には、心臓そのものや血管の病気が隠れていることがほとんどです。代表的な原因として、次のようなものがあります。
• 高血圧 ―― 高い圧力に逆らって血液を送り続けるうちに、心臓の筋肉が厚く硬くなり、疲れてしまう
• 虚血性心疾患(きょけつせいしんしっかん) ―― 狭心症や心筋梗塞のように、心臓を養う血管が細くなったり詰まったりする
• 弁膜症(べんまくしょう) ―― 心臓の中の「弁」がうまく開閉せず、血液の流れが乱れる
• 不整脈(ふせいみゃく) ―― 心房細動などで脈が乱れ、ポンプ機能が落ちる
• 心筋症(しんきんしょう) ―― 心臓の筋肉そのものに異常が起こる
こうして並べてみると、難しい病名が多く感じるかもしれません。
ですが、ここで注目していただきたいのは、これらの原因の多くが「日々の生活習慣と深く関わっている」という点です。
生活習慣病が、静かに心臓を傷めていく
当院は内科・糖尿病内科として、高血圧や糖尿病といった生活習慣病の患者さんと毎日向き合っています。
実は、これらの病気は心不全の「上流」にある原因と言ってもよいものです。
• 高血圧を放っておくと ―― 心臓に負担がかかり続け、心不全につながる
• 糖尿病があると ―― 血管が傷みやすく、心臓を養う血管にも影響が出る
• 脂質異常症(コレステロール高値) ―― 動脈硬化を進め、虚血性心疾患の引き金になる
• 喫煙・過度の飲酒・運動不足・塩分の摂りすぎ ―― これらが少しずつ積み重なる
つまり、健診で「血圧が高めですね」「血糖値に気をつけましょう」と言われた段階というのは、心臓を守るためのとても大切な分かれ道なのです。
「まだ症状もないし」と先延ばしにせず、この時期にしっかり管理することが、将来の心不全を防ぐ一番の近道になります。
こんなサインは要注意!
心不全は、ある日突然始まるものばかりではありません。じわじわと進むタイプも多く、最初のサインは「年のせい」と見過ごされがちです。
次のような変化があれば、注意が必要です。
• 以前は平気だった坂道や階段で息が切れる
• 足のすね、足首がむくむ(靴下のあとがくっきり残る)
• 横になると苦しく、起き上がると楽になる
• 夜中に咳や息苦しさで目が覚める
• 急に体重が増えた(数日で2〜3kgなど)
• 疲れやすく、だるさが抜けない
特に「急な体重増加」は、体に水分がたまっているサインのことがあり、見落とされやすいポイントです。
「ただの疲れ」「ただのむくみ」と思っていたものが、心臓からのメッセージであることも少なくありません。
今日からできること
心不全の原因の多くは、日々の積み重ねと関わっています。だからこそ、今日からできることがあります。
• 血圧・体重を毎日測って記録する
• 塩分を控えめにする(味噌汁や漬物、麺類のスープに注意)
• 無理のない範囲で体を動かす
• たばこをやめる、お酒はほどほどに
• 処方された薬は、自己判断でやめない
そして何より、気になるサインがあれば早めに相談することが大切です。
心臓の状態は、問診や診察に加えて、心電図、血液検査、必要に応じた検査などで調べることができます。早く原因が分かれば、それだけ手を打てることも増えていきます。
茅ヶ崎ファミリークリニックからのお願い
1. 「年のせい」で片づけないでください
息切れやむくみは、加齢だけでなく心臓からのサインのことがあります。気になる変化は、どうぞ遠慮なくお聞かせください。
2. 生活習慣病は「今」が大切な分かれ道です
高血圧・糖尿病・脂質異常症の管理は、将来の心臓を守る土台になります。一緒に無理のないペースで続けていきましょう。
3. 不安や疑問は遠慮なくご相談ください
「これくらいで受診していいのかな」とためらう必要はありません。予約の有無にかかわらず、まずはご相談ください。
まとめ
心不全は、ひとつの病名ではなく、さまざまな原因によって心臓のポンプ機能が弱まった「状態」です。
• 主な原因は高血圧・虚血性心疾患・弁膜症・不整脈・心筋症など
• その上流には、高血圧や糖尿病といった生活習慣病があることが多い
• 息切れ・むくみ・急な体重増加は、見逃したくない大切なサイン
息切れやむくみを「年のせい」と片づけず、心臓からのメッセージとして受け止めること。それが、ご自身の毎日を守る第一歩になります。
少しでも気になることがあれば、どうぞお気軽にご相談ください。
0歳から150歳まで、予約なしでもみんなが笑顔になる、茅ヶ崎ファミリークリニックです。お気軽にどうぞ。
令和 8年 6月 9日
茅ヶ崎ファミリークリニック
副院長 酒井 和也
茅ヶ崎ファミリークリニック(内科・小児科・皮膚科)
〒253-0054 神奈川県茅ヶ崎市東海岸南5丁目1−21
https://chiga-fami.clinic/