茅ヶ崎ファミリークリニック日記

茅ヶ崎てっぽう道の町医者の思うこと。

"涼しいはず"の家で倒れる ── 自宅熱中症のサインと予防

こんにちは!

茅ヶ崎市、てっぽう道の茅ヶ崎ファミリークリニック、副院長の酒井です!

 

暑い季節になると、ニュースで「熱中症に注意」という言葉を毎日のように耳にします。

多くの方は、熱中症と聞くと「炎天下の運動場」や「真夏の屋外作業」を思い浮かべるのではないでしょうか。

 

ですが――実は、熱中症で救急搬送される方のうち、もっとも多いのは「住居」、つまりご自宅で起きたケースなのです。

 

「涼しいはずの家にいたのに、なぜ?」

 

今回は、見落とされがちな"自宅での熱中症"について、そのサインと予防を、分かりやすくお話しします。

 

 

 

 

なぜ、家の中で熱中症が起きるのか?

家の中は安全――そう思いがちですが、実は油断できない理由がいくつもあります。

 

具体的には
• 「もったいない」「冷えすぎる」とエアコンを我慢してしまう

• 窓を閉め切っていて、室内に熱がこもる

• 高齢になると暑さを感じにくく、汗もかきにくくなる

• のどの渇きを感じにくく、水分が不足しがちになる

• 体内の水分量がもともと少なく、脱水になりやすい

 

特にご高齢の方は、暑さやのどの渇きを"感じる力"そのものが少しずつ低下していきます。

本人は「平気」と思っていても、体の中では危険なほど熱がこもっている――そういうことが、自宅では静かに起こりやすいのです。

 

 

こんな環境・こんな方は特に注意

次のような状況に心当たりがあれば、より一層の注意が必要です。

• ひとり暮らしの高齢の方

• 日中、家族が外出していて一人で過ごす時間が長い方

• 「電気代がもったいない」とエアコンを控えがちな方

• 寝室にエアコンがなく、夜間に暑さがこもる

• 持病があり、利尿薬などのお薬を飲んでいる方

• 小さなお子さん(自分で「暑い」「のどが渇いた」と伝えにくい)

 

熱中症は、日中だけの問題ではありません。

夜間、寝ている間に進行する"夜の熱中症"も少なくありません。「夜は涼しいから」と油断せず、就寝中も室温に気を配ることが大切です。

 

 

見逃さないで――自宅熱中症のサイン

熱中症は、軽いうちに気づいて対応すれば、多くの場合おうちで回復できます。次のようなサインを見逃さないでください。

 

<軽い段階のサイン>
• めまい、立ちくらみ、ふらつき
• 手足の筋肉がつる、こむら返り
• 大量の汗、または逆に汗が出ない
• なんとなく体がだるい、力が入らない

 

<進行したときのサイン(要注意)>
• 頭痛、吐き気、嘔吐
• 体が熱いのに汗をかいていない
• 受け答えがおかしい、ぼんやりしている
• まっすぐ歩けない、立てない

 

特にご高齢の方では、「いつもより元気がない」「会話がかみ合わない」といった、ご家族から見た"いつもと違う様子"が、大切なサインになることがあります。

 

自宅でできる予防――今日から始めましょう

熱中症は、正しく備えれば防げる病気です。難しいことはありません。今日からできることをまとめました。

 

• 室温は28℃を目安に、エアコンを我慢しない

• のどが渇く前に、こまめに水分をとる

• 汗を多くかいたときは、塩分・経口補水液も一緒に

• 通気性のよい、ゆったりした服装で過ごす

• 寝る前と起きたときにコップ1杯の水を飲む

• 部屋に温度計・湿度計を置いて"見える化"する

 

エアコンは、決して贅沢品ではありません。命を守るための大切な道具です。「冷えすぎが苦手」という方は、設定温度を高めにしたり、扇風機と併用したりして、無理なく使ってみてください。

 

そして、離れて暮らすご家族がいる方は――ぜひ一本、お電話を。「ちゃんと水分とってる?」「エアコンつけてる?」その一声が、何よりの予防になります。

 

「これは危ないかも」と思ったときは

もし熱中症が疑われる症状が出たら、まずは応急処置です。

• 涼しい場所(エアコンの効いた部屋など)に移す

• 衣服をゆるめて、体を冷やす(首・わきの下・足の付け根)

• 水分・塩分をとれるようなら、ゆっくり飲ませる

 

ただし――
意識がもうろうとしている、自分で水が飲めない、けいれんしている、こうした場合は、医療機関の速やかな受診をお勧めします。

 

 

茅ヶ崎ファミリークリニックからのお願い

1. 「いつもと違う」を見逃さないでください
ご本人が「平気」と言っていても、ご家族から見た違和感が大切なサインになります。気になったら早めにご相談ください。

 

2. エアコンを我慢しないでください
特にご高齢の方ほど、暑さを感じにくくなっています。「まだ大丈夫」ではなく、「先回りして」涼しくすることが命を守ります。

 

3. 心配なときは、予約なしでもどうぞ
当院では、脱水に対する点滴(てんてき)などの対応も行っています。「ぐったりしている」「水が飲めない」そんなときは、お気軽にご来院ください。

 

まとめ

熱中症は、屋外だけでなく、むしろご自宅の中で多く起きています。

• 家の中でも熱中症は起きる――しかも一番多い

• 高齢の方は暑さ・のどの渇きを感じにくい

• エアコンは命を守る大切な道具

• 「いつもと違う様子」は受診のサイン

 

暑い季節を、無理なく、元気に乗り切るために。少しでも気になることがあれば、どうぞお気軽にご相談ください。

 

0歳から150歳まで、予約なしでもみんなが笑顔になる、茅ヶ崎ファミリークリニックです。お気軽にどうぞ。

 

令和 8年 6月 12日

茅ヶ崎ファミリークリニック

 副院長 酒井 和也

 

茅ヶ崎ファミリークリニック(内科・小児科)
〒253-0054 神奈川県茅ヶ崎市東海岸南5丁目1−21
https://chiga-fami.clinic/