こんにちは!
茅ヶ崎市、てっぽう道の茅ヶ崎ファミリークリニック、副院長の酒井です!
日々クリニックで患者さんと向き合っていると、ご家族からこんなご相談を受けることが増えてきました。
「最近、親を病院に連れて行くのが本当に大変で……」
「歩くのもつらそうなのに、それでも頑張って通院しているんです」
そのお気持ち、痛いほど分かります。通院は、ご本人にとってもご家族にとっても、想像以上に体力と気力を使うものです。
今回は、「訪問診療(ほうもんしんりょう)」――つまりお医者さんがご自宅にうかがって診療する仕組みについて、「そろそろ考えてもいいかな」というサインを中心に、分かりやすくお話しします。

そもそも「訪問診療」って何ですか?
訪問診療とは、通院が難しくなった患者さんのご自宅や施設に、医師が定期的にうかがって診察・治療・お薬の処方などを行う仕組みです。
「往診(おうしん)」という言葉と混同されがちですが、少し違います。
• 訪問診療――あらかじめ計画を立てて、定期的にうかがうもの
• 往診――急に具合が悪くなったとき、その都度うかがうもの
つまり訪問診療は、「いつもの通院を、ご自宅に置き換える」イメージに近いものです。血圧やお薬の管理、慢性的な病気の経過観察などを、住み慣れたお部屋で続けていくことができます。
"そろそろかな"を見逃さない――考えるべきサイン
訪問診療は、「もう全く動けなくなってから」始めるものではありません。
むしろ、「通院がだんだんしんどくなってきたな」という、その手前の段階こそが、考え始めるよいタイミングです。
具体的には、こんなサインが目安になります。
• 通院のたびに、ご本人がぐったり疲れてしまう
• 待合室で長く座っているのがつらそう
• 階段や段差、車の乗り降りが難しくなってきた
• ご家族が仕事を休まないと、付き添いができない
• 通院の負担から、受診の間隔が空きがちになっている
• 認知症などで、外出そのものに不安がある
いくつか当てはまるようでしたら、一度ご相談いただくタイミングかもしれません。
特に気をつけていただきたいのは、「通院がつらいから」という理由で、受診そのものを我慢してしまうケースです。
その結果、お薬が切れてしまったり、悪化のサインを見逃してしまったりすることがあります。これは私たちが一番避けたいことです。
「まだ早いかな」と迷ったら
ご相談の中でよく聞くのが、「うちの親はまだそこまでじゃないと思うんですが……」という、ためらいのお声です。
結論から言えば、迷った段階でご相談いただくのがちょうどよいのです。
訪問診療は、必ずしも「寝たきりの方だけのもの」ではありません。歩ける方でも、通院の負担が大きい方であれば対象になり得ます。
逆に、限界まで通院を頑張ってから慌てて切り替えると、ご本人もご家族も心の準備が追いつかず、バタバタしてしまうことが少なくありません。
少し早いかな、と思うくらいのタイミングで、「うちの場合はどうだろう?」と相談していただく。それが、いちばん穏やかな移行につながります。
訪問診療でできること・できないこと
「自宅で診てもらえる」と聞くと、何でもできると思われがちですが、できることと、難しいことがあります。
ご自宅でできることは、たとえばこういったことです。
• 定期的な診察と、慢性疾患(高血圧・糖尿病など)の管理
• お薬の処方と調整
• 点滴や注射などの処置
• 床ずれ(褥瘡・じょくそう)のケア
• ご本人・ご家族の療養相談
一方で、大がかりな検査や手術、入院が必要な治療は、ご自宅では行えません。
そうした場合には、地域の病院と連携して、必要な医療につなぐ橋渡し役を私たちが担います。
「家にいたい」というお気持ちを大切にしながら、必要なときには適切な医療へ。そのバランスを一緒に考えていくのが、訪問診療の役割だと考えています。
茅ヶ崎ファミリークリニックの訪問診療について
当院では、地域のかかりつけ医として、訪問診療にも力を入れて取り組んでいます。
大切にしているのは、「通院していたときと同じ顔ぶれで、同じように診てもらえる」という安心感です。
これまで外来でお会いしていた患者さんが、通院が難しくなったあとも、住み慣れたご自宅で診療を続けられるように。
そして、ご本人だけでなく、支えるご家族の不安にも寄り添えるように。私たちはそんな診療を目指しています。
「うちの場合は訪問診療の対象になるのかな?」「費用はどのくらいかかるんだろう?」といった疑問も、まずはお気軽にご相談ください。状況をうかがったうえで、一緒に考えさせていただきます。
ご家族へ――どうか抱え込まないでください
付き添いや通院の手配を、ご家族だけで背負っていませんか。
「自分が頑張らなければ」という思いで、知らず知らずのうちに無理を重ねてしまう方を、私はたくさん見てきました。
ご家族が倒れてしまっては、支えること自体が続きません。
通院がつらくなってきたと感じたら、その負担を抱え込む前に、どうか一度声をかけてください。選択肢を一緒に整理するだけでも、肩の荷が少し軽くなることがあります。
まとめ
今回お伝えしたかったことを、最後に整理します。
• 訪問診療は、計画的に自宅で診療を続けるための仕組み
• 「動けなくなってから」ではなく、「通院がつらくなってきた」段階が考えどき
• 迷ったら、少し早いくらいのタイミングで相談するのが穏やかな移行のコツ
• 自宅でできること・難しいことを見極め、必要なら病院と連携する
• ご家族だけで抱え込まず、まずは相談を
「そろそろかな」というサインは、ご本人やご家族にしか気づけない、大切な合図です。
その合図を見逃さず、早めにご相談いただくことが、ご本人らしい毎日を長く支えることにつながります。少しでも気になることがあれば、どうぞお気軽にご相談ください。
0歳から150歳まで、予約なしでもみんなが笑顔になる、茅ヶ崎ファミリークリニックです。お気軽にどうぞ。
令和 8年 6月 13日
茅ヶ崎ファミリークリニック
副院長 酒井 和也
茅ヶ崎ファミリークリニック(内科・小児科・皮膚科)
〒253-0054 神奈川県茅ヶ崎市東海岸南5丁目1−21
https://chiga-fami.clinic/