こんにちは!
茅ヶ崎市、てっぽう道の茅ヶ崎ファミリークリニック、副院長の酒井です!
「骨粗鬆症(こつそしょうしょう)の予防って、いつから始めればいいんですか?」
診療をしていると、患者さんからよくこの質問をいただきます。
多くの方が、「骨が弱るのは、年をとってから」「だから対策も歳をとってからでいい」と思っていらっしゃいます。
ですが――実は、それでは少し遅いのです。
今回は、「骨は"貯金"です」というお話を切り口に、骨粗鬆症の予防をいつから・どう始めればいいのかを、分かりやすくお話しします。

骨は"貯金"――ピークは20代、あとは少しずつ減っていく
まず知っておいていただきたいのが、私たちの骨の量(骨量)には「ピーク」があるということです。
骨量は、成長とともに増えていき、だいたい20歳前後で人生の最大値を迎えます。
これを「最大骨量(ピークボーンマス)」と呼びます。
そして残念ながら――そこから先は、年齢とともに少しずつ減っていく一方なのです。
つまり骨は、若いうちにたくさん"貯金"しておき、その貯金を一生かけて少しずつ使っていく、というイメージです。
• 若いうちに貯金(骨量)を多くしておくほど、将来の余裕が大きい
• 貯金の減るスピードをゆるやかにできれば、長持ちする
この2つが、骨粗鬆症予防の基本的な考え方になります。
骨粗鬆症ってどんな病気?
骨粗鬆症とは、骨の量が減ったり、骨の中身がスカスカになったりして、骨がもろく折れやすくなった状態をいいます。
こわいのは、痛みなどの自覚症状がほとんどないまま進んでしまうことです。
多くの方は、転んで骨折してから、あるいは健診で骨密度を測って初めて気づきます。
特に注意したいのが、次のような骨折です。
• 背骨(圧迫骨折)――気づかないうちに背が縮む、腰が曲がる
• 太ももの付け根(大腿骨)――歩けなくなり、寝たきりのきっかけに
• 手首――転んで手をついたときに折れやすい
背骨や足の付け根の骨折は、その後の生活の質を大きく左右します。
「骨折くらい」と思わず、折れる前に守ることがとても大切なのです。
予防は「二段構え」――若いうちと、閉経のころ
では、予防はいつから始めればいいのでしょうか。
結論を言いますと、予防に「早すぎる」ということはありません。
そのうえで、特に大切な時期が二つあります。
① 若いうち(成長期〜20代)――貯金を増やす時期
この時期は、骨の"貯金"そのものを増やせる、人生で唯一のチャンスです。十分な栄養と運動で、最大骨量を少しでも高くしておくことが、将来への一番の備えになります。
② 中年以降、特に閉経のころ(女性)――減り方をゆるやかにする時期
女性は、閉経を迎えると女性ホルモン(エストロゲン)が急激に減ります。このホルモンには骨を守るはたらきがあるため、閉経後の数年間は骨量が一気に減りやすくなります。ここでの対策が、その後を大きく変えます。
男性も、加齢とともにゆっくり骨量が減っていきますので、決して他人事ではありません。
年代別・骨を守るポイント
では、それぞれの年代で何を意識すればよいのか、整理してみましょう。
20〜30代の方へ
無理なダイエットによる栄養不足や、運動不足は、せっかくの貯金のチャンスを逃してしまいます。カルシウムをしっかりとり、体を動かす習慣を。喫煙や過度の飲酒も骨には大敵です。
40〜50代の方へ
特に女性は、閉経が近づくこの時期から意識を。食事・運動に加えて、一度ご自身の骨密度を知っておくと、今後の見通しが立てやすくなります。
60代以降の方へ
減ってしまった骨を完全に元に戻すのは簡単ではありませんが、減るスピードをゆるめたり、転倒・骨折を防いだりすることは十分できます。検査と、必要に応じたお薬も選択肢になります。
どの年代であっても、「気づいた今日」が一番若い日です。今日から始めて遅すぎることはありません。
今日からできる、骨を守る3本柱
難しいことは必要ありません。日々の生活の中でできることが、しっかりあります。
1. 食事――骨の材料をとる
• カルシウム(牛乳・乳製品・小魚・大豆製品・葉物野菜など)
• ビタミンD(鮭・きのこ・卵など。カルシウムの吸収を助けます)
• ビタミンKやたんぱく質もバランスよく
2. 運動――骨に"刺激"を与える
骨は、適度に体重や刺激がかかることで強くなります。
• ウォーキングなど、体重がかかる運動
• かかと落としや、軽いスクワット
• 筋力を保つことは、転倒予防にもつながります
3. 日光――ビタミンDを作る
ビタミンDは、日光を浴びることで皮膚でも作られます。1日15〜30分ほど、屋外で過ごす習慣を意識してみてください。
この3本柱――食事・運動・日光は、どの年代の方にも共通する基本です。
「自分の骨の今」を知っていますか?――骨密度の検査
骨粗鬆症は自覚症状が出にくいからこそ、「測って知る」ことが何より大切です。
骨密度の検査は、今の骨の状態を数値で確認できる、いわば"骨の健康診断"です。
特に次のような方は、一度検査を受けておくことをおすすめします。
• 閉経を迎えた、あるいは近づいている女性
• 65歳以上の方
• ご家族に骨粗鬆症や大腿骨骨折の方がいる
• 以前、軽い転倒で骨折したことがある
• ステロイドのお薬を長く使っている
気になる方は、当院でご相談ください。今の状態を確認し、必要に応じて検査をご案内します。
茅ヶ崎ファミリークリニックからのお願い
1. 「まだ早い」と思わず、今日から始めましょう
骨の予防に早すぎることはありません。食事・運動・日光、できることから少しずつで大丈夫です。
2. 自覚症状がなくても、一度「測って」みましょう
骨粗鬆症は静かに進みます。気になる方、当てはまる項目があった方は、ご自身の骨の状態を一度知っておくと安心です。
3. 不安や疑問は遠慮なくご相談ください
「うちはどうかしら」「親が心配で」――そんな小さな気がかりも、どうぞお気軽にお声がけください。
まとめ
骨は、若いうちに貯めて、一生かけて使っていく"貯金"のようなものです。
• 骨量のピークは20代――若いうちは貯金を増やす
• 閉経のころと加齢――減るスピードをゆるやかにする
• 食事・運動・日光の3本柱が予防の基本
• 症状が出にくいからこそ、「測って知る」ことが大切
「いつから予防?」の答えは、「気づいた今日から」です。
そして、何歳からでも、できることは必ずあります。
少しでも気になることがあれば、どうぞお気軽にご相談ください。
0歳から150歳まで、予約なしでもみんなが笑顔になる、茅ヶ崎ファミリークリニックです。お気軽にどうぞ。
令和 8年 6月 20日
茅ヶ崎ファミリークリニック
副院長 酒井 和也
茅ヶ崎ファミリークリニック(内科・小児科・皮膚科)
〒253-0054 神奈川県茅ヶ崎市東海岸南5丁目1−21
https://chiga-fami.clinic/