こんにちは!
茅ヶ崎市、てっぽう道の茅ヶ崎ファミリークリニック、副院長の酒井です!
「最近、少し歩いただけで息が切れる」「夕方になると足のむくみが気になる」――。そんな声を、当院でも患者さんからよく耳にします。
歳のせいかな、疲れているだけかな、と見過ごしてしまいがちなこうしたサイン。実はその裏に、"心臓の疲れ"が隠れていることがあります。
今回は、近年とても増えている「心不全(しんふぜん)」について、そしてそれを防ぐためにできることを、分かりやすくお話しします。

そもそも「心不全」とは、どんな状態?
心不全と聞くと、「心臓が止まる病気」と思われる方が多いのですが、少し違います。
心不全とは、特定のひとつの病名ではなく、"心臓のポンプとしての働きが低下し、全身に十分な血液を送り出せなくなった状態"を指します。
心臓は、休まず全身に血液を届けるポンプです。このポンプの力が弱まると、体のあちこちに血液や水分が滞り、息切れやむくみといった症状が現れます。
日本では高齢化にともない心不全の患者さんが年々増えており、「心不全パンデミック」とも呼ばれるほど身近な病気になってきました。
なぜ「予防」がそんなに大切なのでしょうか?
心不全がやっかいなのは、一度発症すると、良くなったり悪くなったりを繰り返しながら、少しずつ進行していく点にあります。
具体的には
• 入院と退院を何度も繰り返してしまう
• 一度入院するたびに、心臓の力が一段ずつ落ちてしまうことがある
• 息切れやむくみで、これまで通りの生活が送りにくくなる
• ご本人だけでなく、ご家族の負担も大きくなる
つまり、発症してから治すよりも、「発症させない」「早く気づいて進行を食い止める」ことが、何よりも大切なのです。
心不全は、決して"運が悪かったから起こる病気"ではありません。日々の積み重ねで、そのリスクを大きく下げることができます。
心不全につながる、主な原因
心臓の疲れは、多くの場合、長い時間をかけて積み重なった負担から生まれます。
特に注意したいのが
• 高血圧 ―― 高い圧力に逆らって血液を送り続けることで、心臓が疲れていきます
• 糖尿病 ―― 血管を傷め、心臓への負担を高めます
• 不整脈(心房細動など)―― 脈の乱れが心臓の働きを落とします
• 弁膜症(べんまくしょう)―― 心臓の弁の不具合で血液の流れが滞ります
• 喫煙・過度の飲酒・塩分の摂りすぎ・運動不足
特に高血圧と糖尿病は、心不全の"土台"をつくる大きな要因です。当院でも、毎日たくさんの患者さんとこの2つの管理に取り組んでいます。
裏を返せば、これらをしっかりコントロールすることが、そのまま心不全予防につながるということです。
こんなサインは要注意!"見えない心臓の疲れ"の合図
心不全は、いきなり重い症状で始まるわけではありません。多くの場合、体は小さなサインを少しずつ送ってくれています。
次のような変化に心当たりはありませんか
• 以前は平気だった坂道や階段で、息が切れるようになった
• 足のすね・足首がむくみ、靴下のあとがくっきり残る
• 横になると息苦しく、起き上がると楽になる
• 夜中に咳が出たり、息苦しさで目が覚める
• 数日で体重が2〜3kg増えた(体に水分が溜まっているサイン)
• 疲れやすく、なんとなく元気が出ない
特に、短期間での体重の増加は、体に水分が溜まり始めている大切なサインです。毎朝、同じ条件で体重を量る習慣は、心臓の状態を知るうえでとても役立ちます。
「歳のせい」で片づけず、こうしたサインに早めに気づくことが、予防の第一歩です。
今日から始められる、心臓を守る習慣
心不全の予防は、決して特別なことではありません。毎日の暮らしの中で、少しずつ積み重ねられることばかりです。
ぜひ意識していただきたいのが
• 血圧をこまめに測り、記録する習慣をつける
• 塩分を控えめにする(汁物を半分にする、麺類のスープを残すだけでも効果的です)
• 無理のない範囲で、こまめに体を動かす(ウォーキングなどがおすすめです)
• たばこはやめる、お酒は適量を守る
• 高血圧・糖尿病などの持病をしっかり管理する
• 毎朝、体重を量って変化に気づけるようにする
どれも一度に完璧にやろうとする必要はありません。「今日は汁物を半分にしてみよう」――そんな小さな一歩から、心臓は確実に守られていきます。
茅ヶ崎ファミリークリニックからのお願い
1. 持病のある方は、まず血圧・血糖の管理を
高血圧や糖尿病をお持ちの方にとって、その管理は心不全予防そのものです。お薬を飲んでいても数値が安定しない、自己判断で中断してしまっている――そんな方は、ぜひ一度ご相談ください。
2. 「いつもと違う」を感じたら、早めに受診を
息切れ、むくみ、急な体重増加。こうしたサインが続くときは、我慢せずに早めにご相談ください。早く気づくほど、できることはたくさんあります。
3. 必要に応じて、専門の医療機関と連携します
当院では心電図などの検査を行い、より詳しい検査や治療が必要と判断した場合には、地域の専門医療機関とも連携してまいります。お一人で抱え込まず、地域のかかりつけ医としてまずは私たちにお任せください。
まとめ
今回お伝えしたかったことを、最後にまとめます。
• 心不全は、心臓のポンプの力が落ちた"状態"で、近年とても増えています
• 一度発症すると進行しやすいため、予防と早期発見がとても大切です
• 高血圧・糖尿病の管理が、そのまま心不全予防につながります
• 息切れ・むくみ・急な体重増加は、見逃したくない大切なサインです
• 減塩・運動・血圧記録など、小さな習慣の積み重ねが心臓を守ります
"見えない心臓の疲れ"は、早く気づけば、十分に手を打つことができます。気になる症状や不安があれば、決して一人で悩まず、どうぞお気軽にご相談ください。皆さんの元気な毎日を、私たちが一緒に支えていきます。
0歳から150歳まで、予約なしでもみんなが笑顔になる、茅ヶ崎ファミリークリニックです。お気軽にどうぞ。
令和 8年 6月 22日
茅ヶ崎ファミリークリニック
副院長 酒井 和也
茅ヶ崎ファミリークリニック(内科・小児科・皮膚科)
〒253-0054 神奈川県茅ヶ崎市東海岸南5丁目1−21
https://chiga-fami.clinic/