こんにちは!
茅ヶ崎市、てっぽう道の茅ヶ崎ファミリークリニック、副院長の酒井です!
「心不全(しんふぜん)」と聞くと、息切れやむくみで苦しんでいる方の姿を思い浮かべるかもしれません。
ですが――実は、症状がまったく出ていない段階から、心不全はもう静かに始まっていることがあります。
今回は、「あなたは心不全の"前段階"かもしれません」というテーマで、ステージA・ステージBという考え方について、分かりやすくお話しします。
少し意外に感じるかもしれませんが、最後まで読んでいただくと「これは自分のことかもしれない」と思える方が、きっとたくさんいらっしゃるはずです。

心不全は「病名」ではなく「状態」です
まず大切なことをお伝えします。
心不全とは、ひとつの病気の名前ではありません。
「心臓のはたらきが低下して、全身に十分な血液を送り出せなくなった状態」――そのものを指す言葉です。
高血圧、糖尿病、心筋梗塞、不整脈など、さまざまな原因が積み重なった「結果」として、心不全という状態にたどり着きます。
そして近年、心不全は4つのステージ(段階)で考えるようになってきました。
• ステージA:危険因子はあるが、心臓にはまだ異常がない
• ステージB:自覚症状はないが、心臓に変化が始まっている
• ステージC:心不全の症状が出ている
• ステージD:治療が難しい重症の段階
注目していただきたいのは、最初の2つ――AとBには「症状がない」ということです。
ステージA:あなたはここに当てはまりませんか?
ステージAは、「心臓そのものはまだ無事だけれど、将来心不全になりやすい危険因子を持っている」段階です。
具体的には、次のような方が当てはまります。
• 高血圧がある
• 糖尿病がある
• 肥満がある
• 喫煙している
• コレステロールが高い
• ご家族に心臓病の方がいる
いかがでしょうか。
「ひとつも当てはまらない」という方は、むしろ少ないのではないでしょうか。
つまり、ステージAというのは決して特別な人の話ではなく、ごく身近な――まさに「今この記事を読んでいるあなた」のことかもしれないのです。
ステージB:症状がないのに、心臓は変わり始めている
ステージBは、自覚症状はまだないけれど、検査をすると心臓にすでに変化が起きている段階です。
たとえば、
• 高血圧が続いて、心臓の壁が分厚くなっている(心肥大)
• 過去に気づかないうちに小さな心筋梗塞を起こしていた
• 心臓のポンプ機能(駆出率)が少し落ちている
こうした変化は、ご本人はまったく気づきません。
胸も苦しくないし、息切れもない。だからこそ「自分は健康だ」と思い込んだまま、知らないうちに進行してしまうことがあるのです。
これらは、心電図や心臓超音波検査(心エコー)、採血などで見つけることができます。
症状が出てから――ステージC・Dの怖さ
ステージCになると、いよいよ症状が表に出てきます。
• 少し動いただけで息が切れる
• 足やすねがむくむ
• 夜、横になると息苦しくて眠れない
• 体重が急に増える(水分がたまるため)
そしてステージDは、こうした症状が治療を尽くしてもなかなか改善しない、重症の段階です。
ここで知っておいていただきたいことがあります。
一度ステージCまで進んでしまうと、AやBの状態に「完全に戻る」ことは難しくなります。
だからこそ――症状が出る前の、ステージAやBのうちに手を打つことが、何よりも大切なのです。
ステージAでの予防が、いちばん効きます
心不全の予防は、特別なことではありません。
ステージAでやるべきことは、実は皆さんがよくご存じの「生活習慣病の管理」そのものです。
• 血圧をしっかり管理する
• 血糖値・コレステロールを整える
• 適正な体重を保つ
• 禁煙する
• お酒は控えめに
• 適度な運動を続ける
• 塩分を摂りすぎない
地味に思えるかもしれません。
ですが、この一つひとつが「将来の心臓」を守る、確かな積み重ねになります。
血圧や血糖を整えることは、目の前の数値を良くするためだけではなく、10年後・20年後に心不全という状態を避けるための、大切な予防なのです。
茅ヶ崎ファミリークリニックからのお願い
1. 危険因子のある方は、症状がなくても一度ご相談ください
高血圧・糖尿病・肥満・喫煙などがある方は、今のうちに心臓の状態を確認しておくことに意味があります。
2. 健診で「心電図に所見あり」と言われた方へ
「症状がないから大丈夫」と放置せず、一度きちんと評価しましょう。ステージBを早く見つけるチャンスです。
3. むくみ・息切れ・体重増加に気づいたら早めに
これらはステージCに進んだサインかもしれません。気になる症状があれば、遠慮なくご相談ください。
まとめ
心不全は、ある日突然なるものではありません。
• 心不全は「病名」ではなく、心臓が弱った「状態」
• ステージA・Bは症状がないのに、すでに始まっている前段階
• 高血圧・糖尿病・肥満・喫煙がある方は、ステージAかもしれない
• 症状が出てからでは後戻りが難しい
• だからこそ、症状のない今のうちの管理がいちばん効く
当院は内科・糖尿病内科として、血圧や血糖の管理から、心電図・心臓の評価、生活習慣の見直しまで、皆さんの「心臓を守る予防」を一緒に考えます。
「自分はステージAかもしれない」と感じた方は、どうぞお気軽にご相談ください。
0歳から150歳まで、予約なしでもみんなが笑顔になる、茅ヶ崎ファミリークリニックです。お気軽にどうぞ。
令和 8年 6月 26日
茅ヶ崎ファミリークリニック
副院長 酒井 和也
茅ヶ崎ファミリークリニック(内科・小児科・皮膚科)
〒253-0054 神奈川県茅ヶ崎市東海岸南5丁目1−21
https://chiga-fami.clinic/