こんにちは!
茅ヶ崎市、てっぽう道の茅ヶ崎ファミリークリニック、副院長の酒井です!
体重計に乗る習慣はありますか?
ダイエットのためのもの、と思われがちな体重測定ですが――実は、慢性心不全(まんせいしんふぜん)と付き合っていくうえで、これほど頼りになる「セルフチェック」はありません。
今回は、心不全の悪化をいち早く見つけるための「体重測定」について、分かりやすくお話しします。

そもそも慢性心不全とは?
心臓は、全身に血液を送り出すポンプの役割をしています。
この心臓のポンプの力が弱まり、体が必要とするだけの血液をうまく送り出せなくなった状態が「心不全」です。
慢性心不全は、一度きりの病気ではなく、良い状態と悪い状態を繰り返しながら、長く付き合っていく病気です。
調子が良いときは普段どおりに過ごせますが、ちょっとしたきっかけで悪化し、入院が必要になることもあります。
だからこそ――「悪くなりかけ」を早く見つけることが、とても大切なのです。
なぜ体重が心不全のサインになるの?
ここが今日いちばんお伝えしたいポイントです。
心臓のポンプの力が弱まると、送り出せなかった血液が体にたまり、余分な水分が体の中にたまっていきます。
この余分な水分が――体重の増加として、真っ先にあらわれるのです。
むくみや息切れといった「自覚できる症状」が出るよりも前に、体重はじわじわと増え始めます。
つまり体重は、あなたの体からの「そろそろ気をつけて」という早めのサインなのです。
体重が増えると、こんな症状が出てきます
水分が体にたまってくると、次のような変化があらわれることがあります。
• 足のすね、足の甲、くるぶしのあたりがむくむ
• 靴下のゴムのあとが、いつもより深く残る
• 少し動いただけで息切れがする
• 横になると息苦しく、起きていると楽になる
• 夜、咳(せき)が出て目が覚める
• なんとなく体がだるい、疲れやすい
これらの症状が出てきたときには、すでに体の中にかなりの水分がたまっていることも少なくありません。
症状が出る前の段階で、体重の変化に気づけると理想的です。
正しい体重の計り方 ~「同じ条件」で~
体重測定でいちばん大切なのは、「同じ条件で計る」ことです。
条件がバラバラだと、水分による本当の変化なのか、食事や服の重さの違いなのかが分からなくなってしまうからです。
次のポイントを意識してみてください。
• 朝に計る(起きてトイレを済ませたあとがおすすめ)
• 朝食を食べる前に計る
• できるだけ同じような服装で計る
• 同じ体重計を使う
• 計った数字を、手帳やカレンダーに書き留める
数字を記録しておくと、「前回より増えたかな?」という比較がしやすくなります。
ノートでも、お薬手帳のすき間でも、スマートフォンのメモでも構いません。続けやすい方法で大丈夫です。
こんなときは受診の目安です
では、どのくらい体重が増えたら気をつければよいのでしょうか。
一般的な目安として、次のような変化があれば、早めにご相談ください。
• 3日間で2kg以上、体重が増えた
• 1週間で2〜3kg以上、体重が増えた
• 体重の増加とともに、むくみや息切れが強くなってきた
特に「短い期間で、急に増えた」ときは要注意です。
食べ過ぎでこれほど急に増えることは少なく、多くは体に水分がたまっているサインだからです。
※目安の数字は病状によって個人差があります。ご自身の「注意すべき体重」については、かかりつけの医師に確認しておくと安心です。
体重管理と一緒に気をつけたいこと
体重測定に加えて、日々の生活で意識していただきたいことがあります。
• 塩分を控えめにする
塩分は体に水分をため込みやすくします。味付けは薄めを心がけましょう。
• お薬は決められたとおりに続ける
調子が良いからと自己判断でやめると、悪化のきっかけになることがあります。
• お酒や水分の量も、医師の指示を守る
心不全の状態によっては、水分量に配慮が必要な場合があります。
体重測定は、これらの生活習慣がうまくいっているかを映し出す「鏡」のような役割も果たしてくれます。
茅ヶ崎ファミリークリニックからのお願い
1. 体重を計りましょう
体重測定が、心不全と上手に付き合うための第一歩です。
2. 数字を記録しましょう
記録があると、変化に気づきやすく、診察のときにも大きなヒントになります。受診の際は、ぜひその記録を見せてください。
3. 気になる変化は、早めにご相談ください
「これくらいで受診してもいいのかな」と迷う必要はありません。早めのご相談が、入院を防ぐことにつながります。
当院では、通院が難しい方に向けた訪問診療も行っています。
ご自宅での体重管理や体調の変化についても、地域のかかりつけ医として一緒に見守っていきます。通院が負担になってきた方は、お気軽にご相談ください。
まとめ
慢性心不全と付き合っていくうえで、毎朝の体重測定は――特別な道具もいらず、今日から始められる、いちばん身近なセルフチェックです。
• 体重の増加は、むくみや息切れより早くあらわれるサイン
• 「同じ条件」で計り、数字を記録することが大切
• 3日で2kg以上の増加は、早めの受診の目安
• 塩分・お薬・水分にも気を配ると、より安心
体の小さな変化に、あなた自身がいちばん早く気づける――それが毎朝の体重測定です。
少しでも気になることがあれば、どうぞお気軽にご相談ください。一緒に、心臓をいたわる毎日を続けていきましょう。
0歳から150歳まで、予約なしでもみんなが笑顔になる、茅ヶ崎ファミリークリニックです。お気軽にどうぞ。
令和 8年 7月 4日
茅ヶ崎ファミリークリニック
副院長 酒井 和也
茅ヶ崎ファミリークリニック(内科・小児科・皮膚科)
〒253-0054 神奈川県茅ヶ崎市東海岸南5丁目1−21
https://chiga-fami.clinic/