こんにちは!
茅ヶ崎市、てっぽう道の茅ヶ崎ファミリークリニック、副院長の酒井です!
健康診断や人間ドックの結果票を開いて、「心電図異常」「要精査」「要経過観察」といった文字を見つけ、思わずドキッとした――そんな経験はありませんか。
「心臓に何かあるのでは」「重い病気だったらどうしよう」と、不安で頭がいっぱいになる方も少なくありません。
当院でも、健診の結果を手に「これ、大丈夫でしょうか?」と相談に来られる方が、毎日のようにいらっしゃいます。
今回は、「健診で心電図異常」と言われたときの受け止め方について、分かりやすくお話しします。あわてなくてよいことも多い一方で、放置してはいけないものもある――そのあたりを一緒に整理していきましょう。

そもそも健診の心電図で、何を見ているのか?
心電図は、心臓が動くときに発生するごくわずかな電気の流れを、波形として記録する検査です。
胸や手足に電極を貼って、数十秒ほど記録するだけ。痛みもなく、体への負担もありません。
この波形から、たとえば次のようなことが読み取れます。
• 脈のリズムが乱れていないか(不整脈)
• 脈が速すぎたり遅すぎたりしないか
• 心臓の筋肉に負担や血流の異常を示すサインがないか
• 心臓が大きくなっている(肥大)気配がないか
ただし、心電図はあくまで「記録したその瞬間」の心臓の状態を写したものです。
そのため、健診の一枚だけで病気を確定できるわけではなく、「もう少し詳しく調べましょう」という入口の役割を果たすことが多いのです。
あわてなくてよいことが多い「所見」
健診の心電図には、実にさまざまな用語が並びます。専門的な言葉が書かれていると、それだけで不安が募るものですよね。
ですが――中には、健康な方にもよく見られ、多くの場合すぐに心配しなくてよいものがあります。
たとえば、こういった所見です。
• 洞性徐脈(どうせいじょみゃく)――脈がゆっくり。スポーツをよくする方に多い
• 不完全右脚ブロック(うきゃくブロック)――健康な方にもしばしば見られる
• 軽度のST-T変化――体質や測定条件で出ることがある
• 右軸偏位(うじくへんい)――やせ型の若い方などに見られることがある
もちろん、「必ず問題ない」と言い切れるものではありません。
ただ、こうした所見は、症状がなく、これまでの心電図と比べて変化がなければ、経過を見ていくだけで済むことも多いのです。
大切なのは、用語の名前だけで慌てず、「症状があるか」「以前と変わっていないか」と合わせて考えることです。
きちんと調べたほうがよい「所見」
一方で、放置せず、しっかり調べたほうがよいものもあります。
次のような所見が指摘されたときは、症状の有無にかかわらず、一度受診されることをおすすめします。
• 心房細動(しんぼうさいどう)――脈が不規則になる不整脈。脳梗塞の原因になることがある
• 房室ブロック――脈の伝わりが悪くなり、脈が極端に遅くなることがある
• QT延長――まれに危険な不整脈につながることがある
• 明らかなST低下・陰性T波――心臓の血流不足を示すことがある
特に心房細動は、自覚症状がまったくないまま健診で初めて見つかることも珍しくありません。
放っておくと血のかたまり(血栓)ができ、それが脳に飛んで脳梗塞を引き起こすことがあるため、早めの対応がとても大切です。
「異常」の一言では判断できません
ここまで読んで、「結局、自分のはどっちなの?」と思われた方も多いと思います。
実は、同じ心電図の所見でも、その方にとっての意味は一人ひとり違います。
判断のうえで、私たちが特に大切にしているのが次の2つです。
• 症状があるかどうか(動悸、息切れ、胸の痛み、めまい、失神など)
• 過去の心電図と比べて変化があるかどうか
たとえば、以前から同じ所見が出ていて、今回もまったく変わらず、症状もない――そうであれば、その方にとっては「いつもの心電図」であることも多いのです。
逆に、今回はじめて出てきた変化であれば、たとえ軽い所見でも一度きちんと確認しておく価値があります。
ですので、以前の健診結果が手元にある方は、ぜひ一緒にお持ちください。過去と比べられることが、何よりの判断材料になります。
当院でできること
「要精査」と言われても、どこで何をすればいいのか分からず、そのままになってしまう方も少なくありません。
茅ヶ崎ファミリークリニックでは、健診で心電図を指摘された方の相談を、いつでもお受けしています。
当院でできることの一例です。
• その場で12誘導心電図をとり、健診結果と見比べる
• 症状や既往、飲んでいるお薬をふまえて丁寧に評価する
• 必要に応じてホルター心電図(24時間つけて記録する検査)で不整脈を探す
• 心エコー(超音波)で心臓の動きや構造を確認する
そして、より専門的な検査や治療が必要と判断した場合には、地域の循環器専門の医療機関へ責任を持っておつなぎします。
「大したことないのに受診していいのかな」と遠慮される方もいますが、その見極めこそがかかりつけ医の役割です。どうぞ気兼ねなくご相談ください。
こんな症状があれば、早めにご相談を
健診結果とは別に、日ごろから次のような症状がある方は、早めの受診をおすすめします。
• 急に脈が乱れる、ドキドキが止まらない感じがする
• 少し動いただけで息切れがする
• 胸が締めつけられるように痛む、圧迫される感じがある
• めまいや、意識が遠のくような感覚がある
特に、胸の痛みや失神を伴うときは、様子を見ずに早めに医療機関へご相談ください。
まとめ
健診で「心電図異常」と言われたときに、覚えておいていただきたいことは次の3つです。
• 慌てなくてよい所見も多いが、自己判断で放置はしない
• 症状の有無と、過去の心電図との比較がとても大切
• 心房細動など、無症状でも早めの対応が必要なものもある
「異常」という言葉は、それだけで不安をかき立てます。ですが、その多くは、きちんと確認すれば見通しが立つものです。
結果票をしまい込んで忘れてしまう前に、どうぞ一度お持ちください。あなたにとってその所見が何を意味するのか、一緒に考えます。
0歳から150歳まで、予約なしでもみんなが笑顔になる、茅ヶ崎ファミリークリニックです。お気軽にどうぞ。
令和 8年 7月 22日
茅ヶ崎ファミリークリニック
副院長 酒井 和也
茅ヶ崎ファミリークリニック(内科・小児科・皮膚科)
〒253-0054 神奈川県茅ヶ崎市東海岸南5丁目1−21
https://chiga-fami.clinic/