こんにちは。茅ヶ崎市、鉄砲通りの茅ヶ崎ファミリークリニック、院長です。
記念すべき内科の勉強テーマ、一回目はタバコ肺についてわかりやすく説明します。
駅やショッピングモールで、小さめのボンベを引いて歩いているおじいさんを見たことがあるかたは多いのではないでしょうか。
または、2017年に亡くなられた落語家の桂歌丸師匠が長年苦しまれた病として、肺気腫とそれを含めた疾患群であるCOPDをご存じの方も多いかもしれませんね。歌丸師匠はCOPD啓発プロジェクトに参加されていました。
タバコ肺、正式には肺気腫(emphysema)は、肺の病気の一種で、主に喫煙や空気汚染などが原因となります。肺胞と呼ばれる小さな空気の袋が壊れ、その結果、肺の弾力性が失われ、息を吸い込んだ空気が効果的に排出されなくなります。これにより、呼吸が困難になることがあり、圧倒的に喫煙者による発症が多いです。
肺気腫の主な原因は、長期間の喫煙ですが、空気中の有害物質や一部の遺伝的な要因も関与することがあります。治療は主に症状の緩和と進行の抑制に焦点を当てます。
以下に、肺気腫の治療に関する一般的なアプローチを紹介します:
喫煙の中止: 喫煙が主な原因の一つであるため、まずは禁煙が重要です。喫煙をやめることで、症状の進行が抑制され、肺の機能の改善が期待されます。
薬物療法: 医師が処方する薬物を使用することがあります。これには気管支拡張薬、抗炎症薬、または酸素療法が含まれます。気管支拡張薬は気道を広げ、呼吸を助ける効果があります。
呼吸リハビリテーション: 専門家による呼吸リハビリテーションプログラムは、患者さんが効果的に呼吸する方法を学び、日常生活での活動を向上させるのに役立ちます。
外科的治療: 一部の患者さんにとっては、肺移植や気管支減圧手術などの外科的な選択肢が検討されることがあります。ただし、これらは通常、進行が著しくかつ他の治療法が効果的でない場合に検討されます。
予防策: 健康な生活習慣の維持、充分な運動、バランスの取れた食事、そして環境の注意が、肺気腫の進行を遅らせるのに役立つことがあります。
治療の選択は患者の具体的な状態や症状によって異なります。肺気腫は慢性的な疾患であり、治癒が難しいため、早期の診断と治療が重要です。診断や治療については、必ず医師との相談が必要です。
当院では、こういった生活習慣病というべきか、喫煙習慣により主に発症する病気についても、健診以外にも相談しやすい診療を心がけています。
お気軽にご相談ください。
令和6年2月5日
茅ヶ崎ファミリークリニック
院長 石井 尚