茅ヶ崎市、てっぽう道の茅ヶ崎ファミリークリニック、院長の石井です!
改めて、今年のマイコプラズマの猛威は凄いです。なんであんなに小さい細菌(マイコプラズマは細胞壁を持たず、通常の最近よりもさらに何10分の1くらい小さいと言われています)が、こんなにも計画していたように戦略的に多くの人に観戦することができるのか不思議なくらいです。
そして、この多くの人が今シーズン罹患したマイコプラズマ気管支炎のあとには、おそらくたくさんの人が、「慢性咳嗽」や「咳喘息」、つまりは長引く咳に続けてかかることになるだろうと予想されます。
そのため、本日は咳喘息をリアルタイムで解説したいと思います。
まずは喘息の病態とは・・
まず、咳喘息を理解するために、喘息の2病態を理解することが必要です。喘息を医学書で調べると「気管支喘息は、気道の慢性炎症を本態とし、変動性を持った気道狭窄による喘鳴、呼吸困難、胸苦しさや咳などの臨床症状で特徴づけられる疾患」と書かれています。この状態は悪化したり治まったりを繰り返すのが特徴です。
気管支が炎症を起こすと、周りの筋肉が収縮したり、壁が腫れてむくみが出たりします。さらに痰が増えることで、空気の通り道がさらに狭くなります。このため、呼吸をすると「ゼーゼー」「ヒューヒュー」という音がすることがあります。こちらは、気管支が狭くなる状態です。
さらに、喘息では、炎症によって気管支の粘膜が弱くなり、神経がむき出しになります。これが刺激を受けると、すぐに咳が出やすくなります。炎症が進むと、気管支の筋肉が縮みやすくなる物質も増えて、ますます咳が出やすくなります。これらは、気管支が過敏になっている状態といえます。
次に「咳喘息」とは、どのような状態でしょうか。前述の医学書には「咳喘息は、気管支が狭くなって息苦しくなることはないが、咳だけが症状として続く病気」と書かれています。この咳も、気管支を広げる薬で改善するのが特徴です。つまり「息苦しさやゼーゼーがない」点が喘息と違いますが、気管支に炎症がある点は同じです。
症状
主な症状は「咳」:咳喘息では、乾いた咳(痰がほとんど出ない咳)が長期間続くことが多く、特に夜間や早朝に咳が悪化しやすいのが特徴です。
季節や環境で症状が変化:気温の変化やアレルギー、煙やホコリ、冷たい空気などが刺激となり、咳が悪化しやすいです。
長期間続く場合も:風邪や他の病気と間違えやすく、風邪が治っても数週間以上咳が続く場合には咳喘息の可能性があります。
病態
咳喘息の病態は通常の喘息と似ており、以下のような要因が関係しています。
気道の慢性的な炎症:咳喘息の患者も気道に慢性的な炎症があります。この炎症が気道を敏感にし、ちょっとした刺激でも咳が出やすくなります。
気道の過敏性:気道の粘膜が炎症により薄くなり、神経がむき出しの状態になっています。このため、冷たい空気やホコリ、タバコの煙などの軽い刺激でも咳が出やすくなります。
気管支の軽い収縮:咳喘息の人でも、気管支は少し収縮しており、これにより息の吐きづらさを感じることがあります。ただし、通常の喘息ほど強く気管支が狭くなることは少ないため、ゼーゼー・ヒューヒューする音はほとんどありません。
喘息と咳喘息は、実は上で述べたような症状の違いにすぎないとも考えられています。咳喘息も気管支が少し狭くなっていることがあり、検査などの努力呼吸では息が少し吐きづらいと感じる場合もあります。症状が進むと喘息のようにゼーゼーすることもあるため、咳喘息も放置すると気管支が狭くなり、悪化する可能性があります。
治療
咳喘息も喘息と同じ治療法をとり、吸入ステロイドや気管支拡張薬を使います。症状が改善してもすぐに治療をやめず、医師と相談しながら少しずつ薬を減らすのが大切です。治療を急にやめると症状がぶり返し、悪化しやすくなるため注意しましょう。
まとめ
咳喘息の診断を受けたら、喘息と同じようにしっかりと治療を続けることが大切です。繰り返す咳から解放され、快適な生活を取り戻しましょう!なにか長引く咳、ながびく咳を感じたら、当院まで予約なしでもお気軽にご相談ください。
0歳から150歳まで、予約なしでもみんなが笑顔になる、茅ヶ崎ファミリークリニックです。お気軽にどうぞ。
令和6年11月9日
茅ヶ崎ファミリークリニック
院長 石井 尚
茅ヶ崎ファミリークリニック(内科・小児科・皮膚科)
〒253-0054 神奈川県茅ヶ崎市東海岸南5丁目1−21
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