先日、歌手・俳優として、そしてジブリ映画の声優としても活躍された美輪明宏さんの訃報に接しました。91歳でご逝去されたとのことです。心よりご冥福をお祈り申し上げます。
美輪さんが亡くなられたあと、タレントのミッツ・マングローブさんが印象的な話をされていました。
「新宿二丁目では、宗教の話と政治の話と、美輪明宏さんの話は御法度なんです。」
その理由は、「答えが出ないから」。
美輪さんを尊敬する人もいれば、憧れる人もいる。影響を受けた人もいれば、距離を置いて語る人もいる。それでも誰もが熱くなってしまうほど、美輪明宏という存在は圧倒的だったということなのでしょう。

美輪さんの数ある作品の中でも、私が何度聴いても胸を打たれるのが『ヨイトマケの唄』です。
この歌は、土木作業という重労働をしながら、必死に子どもを育てる母親への深い愛情と尊敬を描いた作品です。
子どもが学校で母親の仕事をからかわれ、恥ずかしいと思ってしまう。
しかし成長し、自分のために汗を流し続けた母親の姿を理解したとき、「自分の母親こそ世界一立派だった」と気付く――。
時代は変わっても、この歌が語る「人の価値は肩書きや見た目ではなく、誰かのために懸命に生きる姿にある」というメッセージは、今も色あせません。
私たちクリニックにも、毎日たくさんの患者さんが来院されます。
育児と仕事を両立しながら体調を崩したお母さん。
夜勤明けで咳が止まらない方。
炎天下で働き熱中症になった職人さん。
配偶者の介護を優先して、自分の受診を後回しにしてきたご高齢の方。
皆さん、それぞれの人生を懸命に生きています。
『ヨイトマケの唄』は、決して色あせた昔の労働歌ではありません。
病気だけを診れば、その人の本当の姿は見えてきません。
「この方は、どんな毎日を送っているのだろう。」
「どんな家族が待っているのだろう。」
「どんな思いで今日ここへ来てくださったのだろう。」
そんなことを考えながら診療することを、私たちは大切にしています。
茅ヶ崎ファミリークリニックが掲げる「予約なしでも、まずは診ます」「何でも相談してください」という理念も、実は同じ思いから生まれました。
具合が悪いときに⋯
「予約が取れません。」
「発熱の方は外のテントでお待ちください。」
「3時間後にこの札を持って来てください。」
「専門外です。」
「別の日に来てください。」
そんな言葉を受けて帰らなければならない患者さんを、少しでも減らしたい。
そして、その思いをより強く、
当院は訪問診療を今月から開始しています。
まずは困っている人を受け止める。
必要であれば専門医療機関へつなぐ。
患者さんとご家族の目線で、その入口であり続けることが、地域のファミリークリニックの役割です。
美輪明宏さんは最後に「ありがとう」という言葉を残されたと伝えられています。
私たちも、地域の皆さまへの感謝を忘れず、一人ひとりの人生に寄り添う医療を、これからも続けてまいります。
美輪明宏さんのご冥福を、
心よりお祈り申し上げます。
0歳から150歳まで、
予約なしでもみんなが笑顔になる、
茅ヶ崎ファミリークリニックです。
お気軽にどうぞ。
令和 8年 7月 4日
茅ヶ崎ファミリークリニック
院長 石井 尚
茅ヶ崎ファミリークリニック(内科・小児科・皮膚科)
〒253-0054 神奈川県茅ヶ崎市東海岸南5丁目1−21
https://chiga-fami.clinic/