こんにちは。茅ヶ崎市、てっぽう道の茅ヶ崎ファミリークリニック、院長です。
今回は水疱瘡について解説します。
水疱瘡(水痘ともいいます。)は、ウイルス感染症であり、一般的には水疱や発熱などの症状を引き起こします。感染症については歴史的経緯も面白く、かつ大事ですので、水疱瘡の歴史的な背景とその特徴について詳しくすこし解説します。
水疱瘡の歴史
古代から中世: 水疱瘡の最初の記録は古代にまで遡ります。古代の医学文献には、水疱瘡の症状が記述されており、その後、中世にかけて流行が長く続きました。
17世紀: 水疱瘡の初期の症例報告が出始めます。この頃、水疱瘡に対する理解が進み、感染の原因や症状についての知識が増えました。
とくに、18世紀になり、英国の医師エドワード・ジェンナーが、水疱瘡から免疫を獲得できるという概念を提唱しました。彼は、牛痘(牛疱瘡)に感染した牛飼いの牛から得たウイルス(牛痘ウイルス)を使って人々を水疱瘡(当時は天然痘と思われていた)から保護するワクチンを開発しました。これは、ジェンナーが、「牛痘の発症した人には天然痘が発症しない。」というヨーロッパの民間の言い伝えからヒントを得たといいますが、そこからワクチンを見つけてしまうという発想のすごさが天才的です。もちろん、世界で初めてのワクチン接種の成功例であり、後の予防接種の基盤となりました。
20世紀に入ってからは、 1950年代から1960年代にかけて、天然痘よりも水疱瘡の流行が増加しました。しかし、1970年代に水疱瘡のワクチンが開発され、1980年代には一般的な予防接種として普及しました。そして今に至ります。
それでは、水疱瘡の症状について解説します。
症状: 水疱瘡の主な症状には、発熱、全身倦怠感、そして皮膚に発生する水疱があります。これらの水疱はしばしば掻破され、液体が漏れ出します。その後、かさぶたが形成され、癒合していきます。
水疱瘡は、ヘルペスウイルスファミリーの一つである水疱瘡・帯状疱疹ウイルス(Varicella-zoster virus、VZV)によって引き起こされます。感染した個体から空気中に放出されたウイルスが、呼吸器系を介して他の人に伝染します。
免疫: 一度水疱瘡に感染すると、ほとんどの人が一生涯にわたって免疫を獲得します。しかしながら、感染後にウイルスは神経組織に潜伏し、後に帯状疱疹として再発することがあります。現在、帯状疱疹はその症状のつらさから、ワクチンの開発競争が過熱しまして、かなり良いワクチンもあります。当院にも問い合わせが多くありますが、こちらもいつでもご相談ください。
治療: 水疱瘡の一般的な治療法には、発熱や痛みを軽減するための解熱剤や鎮痛剤の使用、発疹を乾燥させるための局所的な治療が含まれます。重症の場合や合併症を伴う場合には、医師による適切な治療が必要です。
水疱瘡は、ワクチンによる予防接種が広く普及しているため、現代では水疱瘡の発生率が大幅に減少してるのが現状です。しかし、未接種の個人や免疫が低下している個人は、水疱瘡に感染するリスクが依然として存在します。ご不明な点が御座いましたら、いつもで、当院にご相談ください。
それでは今日はこの辺まで。See you next time これら症状にピンとくる方、お子様、ご自身の年齢に関係なく、当院にてご相談下さい。予約なくても結構です、発熱ある場合は、受付にお申し出下さい。
令和6年3月20日
茅ヶ崎ファミリークリニック
院長 石井 尚
茅ヶ崎ファミリークリニック(内科・小児科・皮膚科)
〒253-0054 神奈川県茅ヶ崎市東海岸南5丁目1−21
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