茅ヶ崎ファミリークリニック日記

茅ヶ崎てっぽう道の町医者の思うこと。

伝染性紅斑(りんご病)について、茅ヶ崎FCからの提言です。

こんにちは。茅ヶ崎市、てっぽう道の茅ヶ崎ファミリークリニック、院長です。

 

さて、今日は伝染性紅斑(りんご病)について解説します。こうやって連続して小児の感染症についてお話しするのはあまり機会の無いことなので、この際はまとめてテンポよくやってみましょう。

 

 

 この病気、私、小学生の頃にかかりました。たまたま、藤沢のロッテリアで青リンゴシェイクを飲んだ直後になりまして、その時、「わーすごいーリンゴ病だー」とその腫れた頬を見たたくさんの知り合いの大人に言われたため、りんごシェイクを飲みすぎて病気になったのだと本気でその後数年間も勘違いしてました。

 

インターネットって改めて凄いですね。その時の記憶を確かめるためにロッテリアのシェイクの歴史を調べてみると、すぐに、1987年の夏に「本物フルーツシェイキ第一弾・青りんご」と出てきます。

 

さらに余分な知識として、ロッテリアのシェイク(シェーキと言うようですね)に関しては、インターネット投票で悪乗りした2ちゃんねらーに押し上げられるという社会現象の結果で、なんと、2003年には本場韓国の味、「キムチシェーキ」まで出しているんですね。見た目は完全にいちごシェイクです。知らなかったですが、知ってても試さなかっただろうなあ~。完全に罰ゲームですよこれ。笑

 

キムチシェーキ

 

さて、話題を本題の伝染性紅斑(りんご病)に戻します。伝染性紅斑(りんご病)は、ヒトパルボウイルスB19によって引き起こされる感染症です。特に子供に多く見られる病気で、春に流行することが多いです。この別名の「りんご病」は、顔に出る特徴的な赤い発疹がりんごのように見えることに由来します。成人でも感染することはありますが、症状が軽いか全く現れないことも多いです。

 

主な症状
伝染性紅斑の主な症状には以下のものがあります:

発疹:顔に「ほおばたけ疹」と呼ばれる赤い発疹が現れ、それが広がって体の他の部分にも出現することがあります。
軽度の発熱
頭痛
喉の痛み


関節の痛み:これは成人、特に女性に見られることが多い症状です。

 

伝播と予防
伝染性紅斑(りんご病)は、飛沫感染や直接的な接触によって人から人へと伝わります。感染者の咳やくしゃみから放出されるウイルスを吸い込むことで感染することが多いです。また、妊娠中の女性がこのウイルスに感染すると、胎児に影響を及ぼす可能性があります。特に妊娠初期に感染するとリスクが高まります。しかし、このようなケースは比較的まれであり、多くの妊婦がりんご病に感染しても問題なく健康な赤ちゃんを出産しています。

 

現在、伝染性紅斑を特に予防するワクチンはありません。そのため、感染拡大を防ぐためには、手洗いを徹底する、咳エチケットを守る、症状がある場合は人混みを避けるなどの対策が推奨されます。特にこれからの季節、入園式や入学式などの人が集まるところでの手洗いなどの徹底が大事です。

 

治療に関してですが、残念ながら、伝染性紅斑に特有の治療法は存在しません。症状を和らげるために、発熱や痛みを緩和するための対症療法が行われます。多くの場合、病気は数週間で自然に治癒します。しかし、免疫系に問題がある人や、妊婦、特定の慢性疾患を持つ人では、合併症が生じるリスクが高まります。これらの場合は、より密接な医療監視が必要になることがあります。特に妊娠中の女性は、胎児に重大な影響を及ぼす可能性があるため、医師の指示に従うことが重要です。

 それでは今日はこの辺まで。See you next time… これら症状にピンとくる方、お子様、ご自身の年齢に関係なく、当院にてご相談下さい。予約なしでも結構です。発熱ある場合は、受付にお申し出下さい。

 

 

 

令和6年3月21日

茅ヶ崎ファミリークリニック

 院長 石井 尚

 

茅ヶ崎ファミリークリニック(内科・小児科・皮膚科)
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