こんにちは。茅ヶ崎市、てっぽう道の茅ヶ崎ファミリークリニック、院長です。
さて、今日は溶連菌感染について解説します。今日もテンポよく、この小児によくある感染症、大人でも最近おおいですし、解説していきたいと思います。
溶連菌感染症は、A群β溶血性連鎖球菌(Group A Streptococcus, GAS)によって引き起こされる感染症です。この菌は、喉の痛みや発熱、扁桃炎、および皮膚感染症など、さまざまな症状を引き起こすことが知られています。特に小児においては、急性咽頭炎(扁桃炎)や猩紅熱の原因となります。
まずは、小児の溶連菌感染についての主要なポイントをご紹介します。
症状の代表的なものは、発熱(38〜39℃)と“のど”の痛み(咽頭痛)です。
しかし、3歳未満ではあまり熱があがらないと言われています。
そして、体や手足に小さくて紅い発疹が出たり、舌にイチゴのようなツブツブができたりします(イチゴ舌)。
そのほかに頭痛、首すじのリンパ節の腫れ、腹痛や嘔吐などの腹部症状もみられます。
急性期を過ぎますと、発疹のあとには落屑(皮むけ)が認められるようになります。
風邪と違って咳や鼻水が出ないというのもこの病気の特徴です。
喉の痛み:感染の最も一般的な症状です。
発熱:しばしば高熱が見られます。
発疹:猩紅熱の特徴的な症状で、全身に細かい赤い発疹が現れます。
扁桃腺の腫れ:扁桃炎によるものです。
当院での診断の仕方ですが、溶連菌感染は、喉の綿棒検査(迅速抗原検査または培養検査)を通じて診断します。迅速抗原検査は数分で結果が出るため、診断にもっとも多く使用されていますが、培養検査はより正確な結果を提供します。
治療についてですが、5〜10日間お薬を飲み続けるのは、こどもにはとっても難しいことかもしれません。しかし、決められた期間はしっかり抗菌薬を飲んでおかないと、ときに、心臓弁膜に障害などを起こすリウマチ熱や、急性糸球体腎炎といった続発症(合併症)につながることもあります。
が一般的に処方されます。抗生物質は感染の拡散を防ぎ、合併症のリスクを低減します。
ほかには、対症療法として、発熱や痛みを和らげるために、アセトアミノフェン(パラセタモール)やイブプロフェンが推奨されることがあります。
予防につてですが、まずは昨日までの感染症同様の対策を行ってください。
手洗い:効果的な手洗いは感染の拡散を防ぐための鍵となります。
感染者との接触避ける:感染者との密接な接触を避けることが重要です。
感染した子供の学校や保育園への出席停止:感染の拡散を防ぐために、症状が改善し、適切な治療を受けてから24時間が経過するまでは自宅で休養が必要です。
溶連菌感染は適切な治療を受ければ通常は重大な問題にはなりませんが、治療を受けない場合は合併症を引き起こす可能性があります。したがって、上記の症状が見られた場合は、迅速に医師の診断を受けることが重要です。また、まれではありますが、糸球体腎炎を中心とした多臓器障害を引き起こすことが有るため、抗生剤内服終了の一定期間の後の尿検査などを当院では推奨しております。
それでは今日はこの辺まで。See you next … これら症状にピンとくる方、お子様、ご自身の年齢に関係なく、当院にてご相談下さい。予約なしでも結構です。発熱ある場合は、受付にお申し出下さい。
令和6年3月22日
茅ヶ崎ファミリークリニック
院長 石井 尚
茅ヶ崎ファミリークリニック(内科・小児科・皮膚科)
〒253-0054 神奈川県茅ヶ崎市東海岸南5丁目1−21
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