茅ヶ崎ファミリークリニック日記

茅ヶ崎てっぽう道の町医者の思うこと。

血圧の重要性とメカニズム:茅ヶ崎ファミリークリニックの解説です。

こんにちは。茅ヶ崎市、てっぽう道の茅ヶ崎ファミリークリニック、院長です。

 

本日は、当院職員で勉強会があり、血圧について考えてみました。

 

説明しているうちに、血圧という言葉がゲシュタルト崩壊するような錯覚を起こしました。

 

考えてみたら、血圧ってなんなんでしょうか。

 

 

 

血圧は、心臓が血液を全身に送り出す力と、血管の抵抗によって決まります。適切な血圧を維持することは、健康にとって非常に重要です。

 

今回のちがファミブログでは、血圧の調整の基本的なメカニズムを簡単に説明します。

 

 人類というか、そもそも動物が血圧を獲得した経緯は、進化の過程でより効率的に酸素と栄養を全身に供給する必要性から発展したものです。それは非常に原始的な循環装置から始まったと考えられます。まずは生物は海から、海の生き物には血圧調整が必要ないとも言えます。鰓呼吸などで酸素の取り込みがあれば問題ありません。

そもそも、初期の多細胞生物には、専用の循環システムはありませんでした。

 これらの生物は、体表面から直接酸素と栄養を取り込み、表面張力と拡散によって細胞に供給していました。しかし、体が大きくなると、拡散だけでは効率的な酸素供給が難しくなりますよね。

 最初の心臓は、単純なポンプ機能を持つものでした。軟体動物や節足動物などは、血液を体内に循環させるための簡単な心臓を持っていました。これにより、酸素と栄養がより効率的に体全体に供給されるようになりました。

 

 さらに、血管の発達は、血液を特定の経路で循環させることを可能にしました。原始的な血管システムは単純な管状構造から始まり、次第に複雑化していきました。これにより、血液の流れが制御され、重要な器官や組織に優先的に酸素と栄養が供給されるようになりました。

 

その際に循環システムを維持するために発達したのが動物学的な意味での血圧です。

 

血圧の基本

血圧は、以下の2つの数値で表されます:

  収縮期血圧(大きい方の血圧):心臓が収縮して血液を送り出すときの圧力。
  拡張期血圧(小さい方の血圧):心臓が弛緩して血液が心臓に戻るときの圧力。

 

血圧調整の主な仕組み

自律神経系:

  交感神経:活動時やストレス時に働き、血管を収縮させて血圧を上げます。
  副交感神経:リラックス時に働き、血管を拡張させて血圧を下げます。

 

ホルモン:

  1. レニン-アンジオテンシン-アルドステロン系(RAAS):腎臓から分泌されるレニンが、アンジオテンシンという物質を生成し、血管を収縮させると同時にアルドステロンというホルモンを分泌させます。これによりナトリウムと水の再吸収が促進され、血圧が上がります。
  2. アドレナリンとノルアドレナリン:これらは副腎から分泌され、心拍数を増やし、血管を収縮させて血圧を上げます

     

腎臓:

腎臓は体内の水分量を調節し、尿の排出を通じて血圧を調整します。余分な水分が排出されることで血液量が減少し、血圧が下がります。

 

血管の状態:

血管の柔軟性や健康状態も血圧に影響します。動脈硬化などで血管が硬くなると、血圧が上がりやすくなります。

  

 このように、血圧調整のメカニズムは複雑ですが、日常生活での注意や健康的な習慣がその維持に大いに貢献します。

 

 なんだか血圧について説明していると、糖尿病の説明とはまた違った「概念の説明」になるので、自分にとっての解釈がゲシュタルト崩壊を起こしかけてきます。このような混乱とリラックスが同時に起きている時、僕の血圧はどう調節されているのだろうか・・・・

 

それでは今回はこの辺で。

 

 0歳から150歳まで、予約なしでも、血圧治療も、みんなが笑顔になる、茅ヶ崎ファミリークリニックをどうぞよろしくお願いいたします。

 

令和6年5月21日

茅ヶ崎ファミリークリニック

 院長 石井 尚

 

茅ヶ崎ファミリークリニック(内科・小児科・皮膚科)
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