茅ヶ崎ファミリークリニック日記

茅ヶ崎てっぽう道の町医者の思うこと。

シリーズ・喘息① 治療についてのリアルな解説・茅ヶ崎市の呼吸器内科の院長が解説します。

こんにちは!

茅ヶ崎市、てっぽう道の茅ヶ崎ファミリークリニック、院長の石井です!

 

 

本日は、当院でも患者様が非常に増えてきている疾患、喘息についてリアルに解説していこうと思います。

 

 

また、喘息については色々と回数に分けて説明したいことがありますので、

 

 

「シリーズ・気管支喘息」の第一回としたいと思います。

 

 

非発作時の基本的な治療について

喘息の治療では、発作が起きていない通常の状態でも、症状をコントロールすることが重要です。まず、基本的な治療として、気道に起こる炎症を抑えるために「吸入ステロイド薬(ICS)」が用いられます。吸入ステロイドは、直接気道に作用するため、炎症を抑える効果が高く、長期的に症状を安定させることに役立ちます。これに加えて、気管支を広げて呼吸を楽にするための薬も使います。具体的には、長時間作用するβ2刺激薬(LABA)や、長時間作用する抗コリン薬(LAMA)、さらにはロイコトリエン受容体拮抗薬(LTRA)といった薬が、症状の状態や重さに応じて組み合わせて使用されます。

吸入薬には、ひとつの薬の中に複数の成分が含まれているものがあります。例えば、「ICSとLABA」の成分が一緒に入った薬や、「ICS、LABA、LAMA」の3つの成分が組み合わされた薬があります。これらの薬は成分によって吸入の仕方や回数が異なり、患者さんの生活スタイルや年齢、吸入器の使いやすさに応じて適切なものを選ぶことが大切です。吸入薬は患者さんごとに使いやすいものを選ぶ必要があるので、医師や薬剤師の指導を受けて、自分に合った吸入器を選ぶと良いでしょう。

 

もし発作が起きてしまった場合

それでも喘息の発作が起きてしまった場合には、「短時間作用性β2刺激薬(SABA)」を吸入することで発作を抑えます。また、必要に応じてステロイドを全身に投与する治療も行われます。これらの処置は数日間続けて行い、発作を鎮めるよう努めます。ただし、非常にまれなケースですが、発作が長時間続いてしまうことがあり、これが重症化すると「重積発作」と呼ばれる状態になります。この状態は呼吸不全を引き起こす可能性があり、場合によっては人工呼吸器を一時的に使用しなければならないこともあります。ですので、早めに医療機関を受診することが大切です。

 

重症な患者さんのための治療

通常の吸入薬などを使った治療では喘息発作をコントロールできず、頻繁に発作を起こし救急外来を受診しなければならないような患者さんは、「重症喘息」として分類されます。この重症喘息の患者さんは、全体の喘息患者の中でも約5%ほどの割合を占めると言われています。

 

 

そんな重症なケースに対して近年登場したのが「生物学的製剤」と呼ばれる注射薬です。この生物学的製剤は、喘息を引き起こす原因となるIgEや好酸球などの特定の物質の働きを抑制することで、アレルギーの進行や気道の炎症を抑えます。このような治療法は、喘息の原因に合わせて効果を発揮する仕組みになっているため、薬を使用する際には治療が適しているかどうかを事前の検査でしっかり確認する必要があります。

 

 

生物学的製剤は、自宅で自己注射を行うことも可能で、医療機関では自己注射の方法について指導が行われています。しかしながら、この治療法は1回の注射にかかる費用が数万円から数十万円と非常に高額です。そのため、金銭的な負担が心配な場合は、高額療養費制度を利用することもできます。金銭面の問題について不安がある場合は、お気軽に当院までご相談ください。

 

 

 0歳から150歳まで、予約なしでもみんなが笑顔になる、茅ヶ崎ファミリークリニックです。お気軽にどうぞ。

 

令和6年9月27日

茅ヶ崎ファミリークリニック

 院長 石井 尚

 

茅ヶ崎ファミリークリニック(内科・小児科・皮膚科)
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