茅ヶ崎ファミリークリニック日記

茅ヶ崎てっぽう道の町医者の思うこと。

シリーズ・喘息③ 小児喘息の増加と予防 (茅ヶ崎市 小児科)

こんにちは!

茅ヶ崎市、てっぽう道の茅ヶ崎ファミリークリニック、院長の石井です!

 

本日は「シリーズ喘息、第3弾」、小児と喘息の関係について解説したいと思います。

 

小児の気管支喘息は増えており、ある統計では学童期の子どもたちの発症率が30年間で約4倍に増加しています。原因として、住まいの構造や生活習慣の変化でダニが増えたことや、大気汚染が影響していると考えられます。

 

喘息は多くの場合、2~3歳頃に発症し、12~15歳になると症状が落ち着きますが、20~30%の子どもたちは大人になっても喘息が続きます。当院では、早期からの喘息治療の開始がおとなになって喘息を持ち越さないためにも重要であると患者様に説明しています。

 

気管支喘息の本質は気管支の慢性炎症であり、ほとんどがアレルギーによるものです。発作がない時でも炎症は持続しているため、気管支が狭くなってしまわないよう、炎症を抑え続けることが重要です。こちらについては、昨日までに吸入ステロイドの重要性を解説しました。

 

小児気管支喘息の患者の80~90%は、イエダニに対するアレルギー反応を持っています。他にもカビやペットの毛、花粉などもアレルギーの原因となり、風邪やインフルエンザ、たばこの煙なども発作を誘発する要因です。

 

治療の目標は、普通の生活を送り、昼夜を通して症状がなく、発作の薬(リリーバー)をあまり使わない状態を保ち、肺機能を正常に維持し、成長に影響を与えないことです。治療は、発作を止める対症療法と発作を予防する予防療法があり、予防療法(コントローラー)を続けることで寛解を目指します。

 

発作時の症状には、鼻翼呼吸(鼻を大きく広げて息をする)、陥没呼吸、起座呼吸(苦しくて横になれない)、チアノーゼ(唇や爪が青くなる)、意識障害などがあります。これらの症状が現れたらすぐに病院へ行くことが重要です。夜間であれば、必ず救急病院を受診してください。

 

思春期や青年期に喘息で亡くなるケースもあり、その原因には急激な悪化や受診の遅れ、誤った判断、薬の乱用などが含まれます。

 

アレルギー対策として、ダニやカビを減らすために、じゅうたんを使わない、掃除をこまめにする、布団を干す、ペットといっしょに寝ない、ソファなどを共有しないなどが有効です。

 

0歳から150歳まで、予約なしでもみんなが笑顔になる、茅ヶ崎ファミリークリニックです。お気軽にどうぞ。

 

令和6年9月29日

茅ヶ崎ファミリークリニック

 院長 石井 尚

茅ヶ崎ファミリークリニック(内科・小児科・皮膚科)
〒253-0054 神奈川県茅ヶ崎市東海岸南5丁目1−21
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