糖尿病治療の歴史はシリーズでお伝えしておりますが、今日は小休止、糖尿病への国際的な取り組みを紹介したいと思います。
実は2年ほど前、世界保健機関(WHO)が、「糖尿病とともに生きる人々を守るための5つのグローバル目標」を発表したのをご存知ですか?
糖尿病の今、そして世界の取り組み
糖尿病は、今や世界中で5億人以上が抱える病気になりました。特に働き盛りの世代に多く、失明や足の切断、心臓病、腎臓病などの合併症を引き起こすこともあるため、早期発見と治療がとても大切です。
でも安心してください。適切な治療と日々のケアをしっかり行えば、糖尿病と診断された方も健康な人と同じように長く、元気に暮らしていくことができます。
WHOが掲げた「糖尿病の5つのグローバル目標」とは?
WHOは、全ての人が公平に医療へアクセスできるよう、次のような5つの目標を打ち出しました:
- 糖尿病の早期発見を進める
→ 定期的な健診で、より多くの人が早めに糖尿病と診断されるように。 - HbA1cを8.0%未満(目標は7.0%未満)にコントロール
→ HbA1cは、ここ2〜3ヶ月の血糖の平均。数値を知ることで治療の指標になります。 - 血圧を140/90mmHg以下に管理
→ こちらは、当院では125/75mmHg以下を目指すことで、心臓や腎臓への負担を大きく軽減できるため、目標としています。この辺はWHOの見解より厳しく行きます。 - 40歳以上の患者さんにはスタチンの活用を
→ コレステロールを下げて心臓の病気を予防する薬です。 - 1型糖尿病の人が、必要なインスリンや測定器を手頃な価格で手に入れられるように
→ 命を守るインスリンが世界中どこでも使えるように、という願いが込められています。以前に当ブログでとりあげた、トランプ関税などに負けないで欲しいと切に願います。
糖尿病の早期発見がカギ!HbA1c検査を活用しよう
当院でも、HbA1cの測定や定期的な血液検査を行っています。
「自分はまだ大丈夫」と思っていても、実は気づかないうちに糖尿病が進んでいたというケースもあります。糖尿病は初期には自覚症状がないことが多いため、健康診断でのチェックがとても大切です。当院では、雇用時健診、市の定期健診など、力を入れてやっております。
糖尿病とともに、安心して暮らすために
糖尿病は、一度診断されても、生活習慣の見直しとお薬でコントロールできます。特に当院では、患者さんひとりひとりに合った治療や生活指導を大切にしています。
- 食事の工夫
- 軽い運動の習慣
- 血糖や血圧のチェック
- 合併症の予防
どれも、小さな積み重ねが大切です。
茅ヶ崎のみな様はぜひ一緒にやっていきましょう。
私たちにできることを、一歩ずつ
世界中で増え続けている糖尿病。でも、正しい知識とケアがあれば、怖がる必要はありません。
茅ヶ崎ファミリークリニックでは、糖尿病とともに生きる皆さんのパートナーとして寄り添いながら、地域に根ざしたケアを行っています。
気になる症状がある方、検査をしてみたい方は、お気軽にご相談ください。
0歳から150歳まで、予約なしでもみんなが笑顔になる、茅ヶ崎ファミリークリニックです。お気軽にどうぞ。
令和7年4月18日
茅ヶ崎ファミリークリニック
院長 石井 尚
茅ヶ崎ファミリークリニック(内科・小児科・皮膚科)
〒253-0054 神奈川県茅ヶ崎市東海岸南5丁目1−21
https://chiga-fami.clinic/