喘息の重症度の分類は、症状の頻度や強さ、日常生活への影響、そして呼吸機能検査の結果などを基にして、「軽症間欠型」、「軽症持続型」、「中等症持続型」、「重症持続型」の4つに分けられます。
これは、患者様に最適な治療法を選択するために重要で、適切な分類によって症状の管理がしやすくなります。
以下、各分類についてもっと詳しくリアルに解説します。
1. 軽症間欠型
このタイプの喘息は、症状がたまにしか現れないもので、1週間のうち1回未満の頻度で症状が出ます。通常、日常生活にはほとんど影響がなく、患者さんが気づかないまま過ごせることも多いです。また、睡眠中に症状が出ることも少なく、夜間に症状が出たとしても月に2回未満です。
呼吸機能検査では、正常値に近い値が示されることが多く、特に発作が起きていない時にはほとんど問題がありません。したがって、軽症間欠型の患者さんは、発作が起こった時だけ速効性の吸入薬を使うことが一般的です。
2. 軽症持続型
軽症持続型では、症状が少し頻繁に現れるようになります。週に1回以上、または月に3回以上、日中の症状が出現しますが、ほとんどの場合、日常生活には大きな影響が出ません。ただし、まれに活動が制限される場合もあります。
夜間に症状が出る頻度も増え、月に2回以上の夜間発作が見られることが特徴です。呼吸機能検査の値も、若干低下している場合があります。この段階では、症状が持続的に出現するため、定期的な吸入薬による治療が必要になります。吸入ステロイド薬などの予防薬を使い、発作を抑えるようにします。
3. 中等症持続型
中等症持続型は、さらに症状の頻度と影響が増し、生活に制約が出やすい状態です。週にほぼ毎日、日中の症状が現れるため、活動や運動を行うことが難しくなることがあります。また、夜間に症状が現れる頻度も増え、週に1回以上は夜間の発作に見舞われることがあります。これにより、睡眠が妨げられ、疲れが溜まることも少なくありません。
呼吸機能検査では、さらに数値が低下していることが多く、特に発作時には気道の狭窄が顕著です。この重症度においては、吸入ステロイド薬と長時間作用型の気管支拡張薬を組み合わせた治療が一般的です。これにより、日常生活を維持し、夜間の症状も抑えることが目指されます。
4. 重症持続型
重症持続型は、喘息の中でも最も重いタイプで、症状がほぼ常に出現し、生活の質が大きく低下することが多いです。日中の症状は毎日現れ、日常生活や仕事、学校での活動にも大きな制約がかかります。さらに、夜間の発作も頻繁に起こるため、睡眠障害が深刻となり、体力の低下や精神的なストレスが重なりやすい状態です。
呼吸機能検査の結果も通常の基準を大きく下回ることが多く、しばしば酸素吸入や定期的な病院での管理が必要です。治療としては、吸入ステロイド薬に加えて、経口ステロイド薬などの強力な薬を組み合わせることが一般的です。また、重症持続型では、喘息の症状を定期的に評価し、治療法を見直すことが重要です。
重症度による管理のポイント
喘息の重症度を正確に評価することは、適切な治療を行うための第一歩です。定期的な検査を受け、自分の状態を理解しながら薬の管理を行うことが重要です。当院では、今後も喘息患者様の定期的な体調管理を担当させていただきます。
0歳から150歳まで、予約なしでもみんなが笑顔になる、茅ヶ崎ファミリークリニックです。お気軽にどうぞ。
令和6年10月28日
茅ヶ崎ファミリークリニック
院長 石井 尚
茅ヶ崎ファミリークリニック(内科・小児科・皮膚科)
〒253-0054 神奈川県茅ヶ崎市東海岸南5丁目1−21
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