今回は、あまり知られていない「糖尿病と骨の健康」の関係についてお話しします。
実は骨にも影響する「糖尿病」
糖尿病というと「血糖値」や「合併症(網膜症、腎症、神経障害など)」が思い浮かぶかもしれませんが、実は“骨”にも影響を与える病気だということをご存じでしょうか?
最近の研究で、糖尿病の方は骨折のリスクが高まることが明らかになっています。
なぜ糖尿病で骨折しやすくなるの?
1.骨の質が低下する
•骨密度(骨の量)が正常でも、骨の質(強さ・しなやかさ)が低下してしまうことがあります。特に2型糖尿病ではこの傾向が強く、見かけ上は骨密度が保たれていても骨がもろくなっているのです。
2.AGEs(終末糖化産物)の蓄積
•血糖値が高い状態が続くと、AGEsという老化物質が骨の中にもたまり、破骨細胞に作用し、骨のしなやかさが失われてしまいます。
3.転倒リスクの増加
•糖尿病による神経障害(足のしびれなど)や視力低下があると、転倒しやすくなります。その結果、骨折の危険性が高まります。
骨粗鬆症と糖尿病の“ダブルリスク”
高齢者では骨密度が減っていく「骨粗鬆症」が進行しやすくなります。そこに糖尿病が加わると、骨が弱くなる+転倒しやすいというダブルのリスクで、**特に「大腿骨の骨折」や「背骨の圧迫骨折」**が起こりやすくなります。
これらの骨折は、寝たきりや生活の質の低下につながることが多く、予防がとても大切です。
骨の健康を守るためにできること
•定期的な骨密度検査(特に糖尿病のある方は早めに)
•血糖コントロールの改善
•バランスの良い食事と適度な運動
•ビタミンDやカルシウムの摂取
•転倒予防のための足元の安全対策・運動療法
まとめ
糖尿病は「骨折しやすい病気」でもあります。骨折を防ぐことで、元気な生活を長く続けられます。
当院では、糖尿病や骨粗鬆症の診断・治療も行っています。気になる方はお気軽にご相談ください。それでは・・
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令和7年5月22日
茅ヶ崎ファミリークリニック
院長 石井 尚
茅ヶ崎ファミリークリニック(内科・小児科・皮膚科)
〒253-0054 神奈川県茅ヶ崎市東海岸南5丁目1−21
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