茅ヶ崎市、てっぽう道の茅ヶ崎ファミリークリニック、院長の石井です!
今日は「脂質異常症」についてお話しします。名前を聞いただけで「なんだか難しそう…」と思うかもしれませんが、心配しないでください!今回は、脂質異常症について簡単に解説しながら、その対策についてもご紹介します。
脂質異常症とは何かについて
昔は「高脂血症」もしくは「コレステロール血症」という名前で知られていました。なんだかとっても強そうな名前ですね。僕も、後期研修医のときに大学病院のカンファレンスで「高脂血症」と発言してしまい、教授の先生に訂正させられた記憶があります。
いつのまにか呼び名が変わっていたのです。なぜ変わったのか、「高脂血症」という名前だと「血中の脂肪が多いだけ」と勘違いされがちだからです。実際には、血中の脂質(コレステロールや中性脂肪)が多すぎたり少なすぎたりする状態を全て含むので、「脂質異常症」という名前に変わったんです。つまり、「脂肪の量だけじゃなくて、バランスが大事なんだよ!」ということを伝えたかったんですね。え、コレステロール?と驚かれた方もいるかもしれませんが、コレステロールは体にとって大事な成分。でも、多すぎると血管に溜まってしまい、心臓や脳に大変なことを引き起こす可能性があるんです。
脂質異常症の登場人物についてリアル解説
-
悪玉コレステロール(LDLコレステロール)
このメンバーは、ちょっと問題児。名前の通り、血管の壁にこっそり「悪さ」をして、プラーク(血栓)を作り上げてしまいます。プラークが大きくなると血管が狭くなり、最悪の場合、血液の流れを止めてしまうこともあります。まるで「血管の渋滞」を引き起こす交通トラブルメーカーです! -
中性脂肪(トリグリセリド)
こちらは「脂肪の貯金箱」とも言われます。体にエネルギーを貯め込むために使われますが、貯めすぎると肥満の原因になったり、心血管系の病気を引き起こしたりします。中性脂肪は「脂肪のちょっとお調子者」といったところでしょうか。「溜めれば溜めるほどいいんだ!」と勘違いしているようです。 -
善玉コレステロール(HDLコレステロール)
こちらは「良い子」の代表格です。血液の中を掃除してくれる「クリーンアップ隊」です。血管に溜まった悪玉コレステロールをきれいに掃除して、肝臓に持ち帰ってくれます。善玉コレステロールが多いほど、血液は健康的な状態を保つことができます。まさに「血管の掃除屋さん」です。
補足:実はもう一種類、「超悪玉コレステロール」というものが存在します。正式には「超低密度リポタンパク(VLDL)」と呼ばれ、これがさらに細かく分解されることで悪玉コレステロール(LDL)になります。一番悪い存在ですが、これ自体を計測することはあまりなく、総コレステロールから、LDLとHDLを引くとこちらの値が求められます。他にも、TGの5分の1がおおよそVLDLと考えられています。
脂質異常症に勝利するための5法則
さて、この「暴走チーム」に対抗するためにはどうすれば良いでしょうか?ここで、「脂質異常症に勝つための5つの作戦」をご紹介します。
-
「食べ過ぎないで野菜とフルーツを多めに」
悪玉コレステロールと中性脂肪を増やさないために、バランスの取れた食事が大切です。野菜や果物を多く摂り、脂肪分の多い食品(特に動物性脂肪)は控えめにしましょう。魚や豆類、全粒穀物などもおすすめです。まるで「食事のバランスを保つ戦略チーム」ですね! -
「毎日少しずつ体を動かそう」
脂質異常症に打ち勝つには、運動が鍵です!運動は、悪玉コレステロールを減らし、善玉コレステロールを増やしてくれる効果があります。毎日30分のウォーキングやジョギング、軽い筋トレを取り入れてみましょう。「体を動かすのが苦手…」という方も、ラジオ体操やストレッチなどから始めてみてくださいね。まさに「運動部隊」の出番です! -
「お酒はほどほどに」
アルコールの摂りすぎは、中性脂肪の上昇につながります。特にビールはプリン体が多く含まれているため、控えめにしましょう。「お酒はほどほどに!」というのが鉄則です。まるで「節酒作戦」です! -
「タバコを吸わない」
喫煙は、悪玉コレステロールを増やし、善玉コレステロールを減らす働きがあります。禁煙は、脂質異常症を防ぐためにも非常に重要です。 -
「定期的な健康診断で敵の動きをチェック」
脂質異常症は、自覚症状がほとんどない「サイレントキラー」。定期的な健康診断で血液の状態を確認し、早期発見・早期治療を心がけましょう。
脂質異常症は、私たちの生活習慣によって大きく左右される病気です。でも、怖らなくても大丈夫です。正しい知識とちょっとした工夫で、健康的な生活を送りながら、脂質異常症に打ち勝つことができます。当院へお気軽にご相談ください。
ちがファミスタッフ一同、皆さまのご来院をお待ちしております!
0歳から150歳まで、みんなが笑顔になる、茅ヶ崎ファミリークリニックです。
どうぞまたよろしくお願いいたします。
令和6年9月12日
茅ヶ崎ファミリークリニック
院長 石井 尚
茅ヶ崎ファミリークリニック(内科・小児科・皮膚科)
〒253-0054 神奈川県茅ヶ崎市東海岸南5丁目1−21
https://chiga-fami.clinic/