茅ヶ崎ファミリークリニック日記

茅ヶ崎てっぽう道の町医者の思うこと。

痛風と高尿酸血症: 茅ヶ崎ファミリークリニックの健康解説

こんにちは!

茅ヶ崎市、てっぽう道の茅ヶ崎ファミリークリニック、院長の石井です!

 

 

今日は、風が吹いても「痛…」と感じる、「痛風」についてお話しします。

 

まずは、高尿酸血症と痛風についてのリアル解説

高尿酸血症は、血液中の尿酸の濃度が高くなる状態のことを指します。この尿酸、実はプリン体という物質が体内で分解される際に作られるものです。通常は尿や便として排出されるのですが、何らかの原因で体内に溜まってしまうと、尿酸の結晶が関節や腎臓に溜まって痛みを引き起こします。これがいわゆる「痛風(つうふう)」です。

 

痛風の語源、実は冒頭で触れた「風が吹いても痛い!」から来ているんです。昔の人も、痛風の痛みの凄さを風に例えるなんて、なかなか良いセンスですよね。

 

痛風の痛みは、経験者によれば「一番痛い病気のひとつ」とされています。どうやら「象が足を踏んづけたような痛み」だとか、「釘を打たれている感じ」だとか、「足の中で爆発が起きているようだ!」なんて表現もあります。皆さん、想像力豊かで驚かされます。

 

痛風発作が起きると、足の親指の付け根が真っ赤になって腫れ上がり、ただ寝ているだけでも激痛が走ります。しかも、この痛み、夜に発症することが多いんです。多くの人が病院が開く朝まで悶々とした時間を過ごすことになります。

痛風は、古代から多くの著名人を悩ませてきました。例えば、ローマの皇帝カリグラ、イギリスの国王ヘンリー8世、そして画家のミケランジェロも痛風に苦しんでいたと言われています。特にヘンリー8世は食事に関する逸話が多く、豪華な食事と大量のビールが彼の痛風を悪化させたとされています。痛風が「王様の病気」と呼ばれるのは、こうした歴史的背景からなんです。当時は、豊かな人々が肉やアルコールをたくさん摂取していたため、痛風は「お金持ちの病気」とも言われました。まあ、今で言う「贅沢病」みたいな感じで言いますよね。

 


患者様とお話ししてても良く思いますが、「プリン体ゼロのビールなら大丈夫!」なんて思っていませんか?残念ながら、これはちょっとした誤解です。確かにプリン体が少ない食品は尿酸値を上げにくいですが、アルコールそのものが尿酸の排出を妨げるので、「プリン体ゼロ」でも飲み過ぎは禁物です。実はプリン体という名前も、甘い「プリン」から来ているわけではありません。プリン体は「purine base」の「purine」が由来で、甘いプリンとは何の関係もないんです。でも、「プリン体」って響きがちょっと可愛らしいので、勘違いする人も多いかもしれませんね。


面白いことに、痛風の発作はしばしば「祝日の翌日」に多いというデータがあります。お正月やゴールデンウィーク、クリスマスなどの「お祝いムード」で飲み食いした翌日に「ぎゃーっ!」という叫び声とともに発作が訪れることが多いそうです。これもまた、贅沢病の証拠かもしれませんね。

 

痛風に勝利するための方法「裏ワザもふくめて」


では、どうやって痛風と闘うのか?ここではちょっとした「裏ワザ」もご紹介します。

 

①水をたくさん飲む
尿酸を体外に排出するために、1日2リットル以上の水を飲むと効果的です。ただし、ビールやアルコールではなく、しっかりと「水」を飲むことがポイントです。

②バランスの良い食事
野菜や果物をたくさん摂り、赤身の肉や魚卵などプリン体の多い食品は控えめにしましょう。また、牛乳やヨーグルトなどの低脂肪乳製品は尿酸値を下げる効果があるとされています。

③適度な運動
運動で体重をコントロールし、肥満を防ぐことで尿酸値を管理できます。しかし、過度な運動や激しい運動は逆効果になることもあるので、ウォーキングや軽いジョギングがおすすめです。

④当院との良い関係
痛風は慢性的な病気なので、定期的に医師の診察を受けることが大切です。痛みがないからといって放置せず、予防的な対策を講じましょう。

 

 

まとめ:痛風とうまく付き合うには?
痛風は確かに「風が吹くだけで痛い」ほど恐ろしい病気ですが、適切な知識と対策を持つことで、症状をコントロールし、健康的な生活を送ることができます。贅沢な食事を楽しみたい気持ちはわかりますが、痛風発作を避けるためにも、ほどほどにしましょう。

 

「笑い話で済むうちに対策を!」をモットーに、健康的な生活を目指していきましょう!

 

 0歳から150歳まで、みんなが笑顔になる、茅ヶ崎ファミリークリニックです。

 

どうぞまたよろしくお願いいたします。

 

令和6年9月10日

茅ヶ崎ファミリークリニック

 院長 石井 尚

 

茅ヶ崎ファミリークリニック(内科・小児科・皮膚科)
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