お花見の季節、「お酒は百薬の長」とよく言われますが、糖尿病をお持ちの方にとって、お酒との付き合い方はとても大事なポイント。

今回は、糖尿病とお酒の関係について、ちょっと気になることをわかりやすくお話しします。
お酒って意外と高カロリー?
まず知っておきたいのが、アルコールは脂肪に次ぐ高カロリーな成分だということ。
アルコールは1gあたり7kcal。これは、白ごはん1杯分のエネルギーに換算すると…けっこうな量になります。
しかも、お酒にはビタミンやミネラルといった栄養素はほとんど含まれていない、いわゆる“エンプティカロリー”。
「つい飲みすぎてしまった」「おつまみも進んでしまった」…そんな日が続くと、体重増加や血糖コントロールの悪化につながりかねません。
飲みすぎ注意!1日の適量って?
厚生労働省では、1日あたりのアルコール摂取量の目安を純アルコール約20gまでとしています。
お酒の種類でいうと、だいたいこのくらいです:
•ビール中瓶 1本(500ml)
•日本酒 1合(180ml)
•ワイン グラス2杯(180ml)
•焼酎 0.6合(100ml)
•チューハイ 1.5缶(520ml)

この“20g”を目安に、無理なく続けられる飲み方を心がけましょう。
「糖質ゼロ=カロリーゼロ」じゃない?
最近は「糖質ゼロ」「カロリーオフ」などと表示されたお酒もコンビニなどで多く見かけますよね。
でも、「糖質ゼロ」=「カロリーゼロ」ではありません。
糖質がなくても、アルコールそのものにカロリーがあるため、飲みすぎれば体重増加の原因になります。
ヘルシーなイメージに惑わされず、しっかりラベルをチェックしましょう。
寝酒の落とし穴
昨日も当ブログで取り上げたとおり、睡眠の質と糖尿病の病勢は密接に関係しています。
「お酒を飲むと寝つきがよくなる」と感じる方も多いかもしれません。
たしかにアルコールには眠気を促す効果がありますが、深い睡眠が妨げられてしまうことも。
夜中に目が覚めてしまう「中途覚醒」が起きやすくなり、結果的に睡眠の質が下がってしまうのです。
ぐっすり眠るには、寝る前の飲酒はほどほどにしておくのがベターです。
血圧にも影響があるってホント?
適量の飲酒で血圧が下がることもありますが、飲みすぎが続くと逆に血圧が上がることがわかっています。
特に毎晩のように多くのお酒を飲む習慣がある方は要注意。高血圧のリスクも高くなります。
糖尿病の方が特に気をつけたいこと
糖尿病と診断されている方は、お酒に関して以下の点に気をつけてください:
•アルコールの代謝には肝臓が関わっています。多量の飲酒が続くと肝臓や膵臓に負担がかかり、血糖コントロールが難しくなる可能性があります。
•インスリンや血糖降下薬を使用している方は、食事をとらずにお酒を飲むことで低血糖が起こる危険性があります。
「お酒を飲めば血糖が下がるからいいのでは?」と思われるかもしれませんが、それは短期的な話。
長期的には内臓脂肪の増加や血糖変動の悪化につながることもあるため、注意が必要です。
まとめ
お酒は、リラックスした時間や人とのつながりを深めるきっかけにもなります。
でも、健康のためには“適量”を守ることがいちばんのポイント。
お酒とは“うまく付き合う”ことが大切です。
糖尿病のある方も、そうでない方も、楽しくそして健やかにお酒と付き合っていけるよう、日々の習慣を少しずつ見直してみてくださいね。
ご自身のお酒の習慣について不安がある方、飲み方を見直したい方は、お気軽に当院までご相談ください。
茅ヶ崎ファミリークリニックは、この歴史あふれるてっぽう道で、末永く皆さまの健康をサポートするパートナーでありたいと考えています。
0歳から150歳まで、予約なしでもみんなが笑顔になる、茅ヶ崎ファミリークリニックです。お気軽にどうぞ。
令和7年 4月 11日
茅ヶ崎ファミリークリニック
院長 石井 尚
茅ヶ崎ファミリークリニック(内科・小児科・皮膚科)
〒253-0054 神奈川県茅ヶ崎市東海岸南5丁目1−21
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