茅ヶ崎ファミリークリニック日記

茅ヶ崎てっぽう道の町医者の思うこと。

シリーズ・喘息㉑ 喘息とアトピーの関係について考える。 茅ヶ崎 呼吸器科

こんにちは!

茅ヶ崎市、てっぽう道の茅ヶ崎ファミリークリニック、院長の石井です!

 

さて、12月から当院の広告アナウンスが神奈中バスの最寄りの停留所で聞かれるようになり、その反響も多くいただいております。

 

「赤ちゃんからお年寄りまで、予約なしでも診療します、茅ヶ崎ファミリークリニック前です。」というなんでもないアナウンスですが、一言一句、広告として法律的に抵触しないかどうか、本当に厳しい審査を受けたのはすでに半年以上前のことでした。

 

院長の私も忘れた頃に当院の広告アナウンスが神奈中バスで開始され、そして私自身も通勤時にバス内でそれを確認できたので、本当に嬉しく感慨深いです。当ブログの締めの一言にもしている言葉とほぼ同じ内容ですが、これを聞くたびに心を新たにされる毎日です。

 

約束します。このアナウンスは今後何十年も絶対に神奈中バスで継続していきますし、開院時のクリニックのポリシーは今後も末永く続きますのでご安心を。

 

 

 

もちろん当院では発熱外来も予約無しで対応しております。連日、本当に多くの皆さまがご来院されております。

 

そして、当院は予約なし診療をこの年末年始、元旦と1月2日以外は行ってまいります。多くの患者様のご来院をお待ちしております。

 

さて、本日は外来時にあるお母様からご質問のあった、喘息とアトピーについてリアルガチに解説していこうと思います。

 

1. 喘息の原因~アトピー型と非アトピー型

喘息には2種類のタイプがあります:

 

    アトピー型喘息
    アレルギーが原因で発症する喘息です。このタイプの特徴は以下の通りです:小児喘息の約70〜90%、大人の喘息の約30%がこのタイプに該当するといわれています。アレルギー反応によって引き起こされ、花粉、ハウスダスト、ペットの毛などのアレルゲンに触れることで症状が現れます。遺伝的な要因も関係しており、家族に喘息やアトピー性皮膚炎などのアレルギー疾患があるとリスクが高まります。

 

    非アトピー型喘息
    アレルギーとは関係のない原因で発症する喘息です。以下のような要因が挙げられます:   喫煙、大気汚染、感染症、冷たい空気、運動、ストレスなど。
        アレルギー反応を伴わないため、原因を特定するのが難しい場合もあります。

 

2. アトピー素因とは何か

アトピー素因とは、アレルギー疾患になりやすい体質を指します。この体質を持つ人は、次のような特徴があります:

    アレルギー反応に関与する「IgE抗体」という物質を作りやすい傾向があります。
    家族にも同じ体質を持つ人がいることが多く、遺伝的要素が関係しています。

アレルギー性疾患には以下のようなものがあります:

    喘息
    アトピー性皮膚炎
    アレルギー性鼻炎
    アレルギー性結膜炎

 

3. アトピー素因とアレルギー性疾患の関係

アレルギーそのものは遺伝しませんが、アレルギーになりやすい体質(アトピー素因)は遺伝することがあります。その結果:

    親がアトピー性皮膚炎であっても、子どもは喘息や別のアレルギー疾患になることがあります。
    1つのアレルギー疾患が治まった後に、別のアレルギー疾患が現れることもあります。これを「アレルギーマーチ」と呼びます。

 

 

4.  アレルギーマーチを予防する方法

アレルギー体質そのものを変えることは難しいですが、以下の対策でアレルギー症状を予防・軽減できます:
4-1. アレルゲンを特定する

    アレルギーの原因物質(アレルゲン)は当院でも血液検査などで調べることができます。 食物(卵、乳製品など)や環境要因(花粉、ペットの毛など)を特定し、接触を避けましょう。
    加工食品を選ぶ際は、パッケージ表示でアレルゲンの有無を確認することが重要です。

4-2. こまめな掃除

    ダニやホコリ、カビの量を減らすことでアレルギー症状を抑えられます。
    寝具は清潔に保ち、布団専用掃除機や週1回の洗濯を心がけましょう。

4-3. 皮膚のバリア機能を守る

    特に乳幼児は皮膚が薄く、バリア機能が未熟なため、湿疹を防ぐために適切なスキンケアが必要です。
    肌を清潔に保ち、保湿を徹底することで、アレルゲンの侵入を防ぎます。
    刺激の少ない石鹸やボディーソープを選び、優しく洗いましょう。

4-4. 腸内環境を整える

    腸内細菌のバランスは免疫システムに影響を与えます。
    善玉菌を増やす食材(ヨーグルト、食物繊維、オリゴ糖)を摂取し、腸内環境を整えましょう。
    悪玉菌の増加を防ぐため、肉類や揚げ物の摂取は控えめにするのがおすすめです。

 

 

5. おわりに

アレルギーマーチは、乳児湿疹を発端に、食物アレルギー、アトピー性皮膚炎、喘息という順で現れることが多いです。

    アトピー素因を持つ赤ちゃんの場合、湿疹を予防することでその後のアレルギー症状を軽減できる可能性があります。
    長引く咳が続く場合は喘息の可能性もあるため、0歳から150歳まで、ぜひ当院で診断を受けることをおすすめします。

 

0歳から150歳まで、予約なしでもみんなが笑顔になる、茅ヶ崎ファミリークリニックです。お気軽にどうぞ。

 

令和6年 12月 19日

茅ヶ崎ファミリークリニック

 院長 石井 尚